腸 きれい にする 健康の為に必須です。健康な状態は腸内発酵、不健康な状態は腸内腐敗しています。
腸 きれい のためには腸内細菌が健康のカギ
腸内には、大きく分けて、ビフィズス菌に代表される善玉菌、ウェルシュ菌に代表される悪玉菌、食べ物や体調によってどちらにも傾く日和見菌(ひよりみきん)の3種類がすんでいて、天文学的数のこれらの細菌が、種類ごとに日々勢力争いをしています。
健康な腸内であれば善玉菌が多く酸性ですが、悪玉菌が増えてくると腸内環境はアルカリ性になり、悪玉菌はさらに増殖し、日和見菌も悪玉に傾いてくるものが増加します。こうなると、腸内は腐敗へとすすみ、便秘や下痢だけでなく、さまざまな全身症状を引き起こします。
一方、善玉菌は炭水化物や食物繊維をエサとして、乳酸や酢酸(さくさん)といった有機酸をつくり、腸内を発酵状態、つまり酸性にします。すると、悪玉菌の繁殖は抑えられ、人体にとってもよい物質を生成したり、免疫力を高める働きをしてくれます。
- 健康=善玉菌優勢=腸内発酵(腸内は酸性)
- 不健康=悪玉菌優勢=腸内腐敗(腸内はアルカリ性)
有機酸を増やすには、酢酸が主成分のお酢を毎日摂るとよいです。お酢は腸内環境を整えるだけでなく、血糖値や血圧を下げる働きがあったり、内臓脂肪を減らすのを助けたりもします。さまざまな生活習慣病を防ぎ、健康に役立ちます。
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私たちの体の健康への影響
腸をきれいにするには、食物繊維・発酵食品・水・適度の運動が大切です。食物繊維 胃で消化されず腸を刺激して、ぜん動運動を活発にし、腸壁をきれいに掃除する働きをします。
発酵食品 乳製品の他に昔から食べられている味噌・醤油・納豆・漬物などの発酵食品を摂りましょう。
腸内で発酵がすすんだ場合は次のように
- 便秘の改善・解消
- 免疫力アップ
- 大腸ガンの予防
そして腸内で腐敗がすすんだ場合には、次のような影響があります。
- 便秘・下痢
- 免疫力の低下
- 発ガン物質の発生
が生じます。腸内環境を整えるためには、善玉菌優位の環境にしなければいけません。
善玉菌の特徴
乳酸菌は、体に必要なエネルギーを作り出してくれる細菌です。エネルギーを作る際に、オリゴ糖などの糖をエサとして、それらを分解して乳酸などの酸を作るため、「乳酸」菌と呼ばれます。
ヨーグルト、チーズ、漬物、日本酒などの発酵食品を作る際に乳酸菌が使われています。
乳酸菌のなかにはビフィズス菌とラクトバチルス(乳酸桿菌)があります。多くの動物はビフィズス菌よりも乳酸桿菌が多いのですが、ヒトはビフィズス菌のほうが多いことがわかっています。よって、ヒトにとっての善玉菌は、主にビフィズス菌のことだといえます。
30種類ほどのビフィズス菌が確認されていて、ヒトの便からは10種類ほどが見つかっています。ビフィズス菌は腸内で悪玉菌の繁殖を抑えます。そして、腸のぜん動運動(腸の筋肉を動かして腸内の食べ物を移動させる運動)を促し、便通をよくします。
ビフィズス菌とラクトバチルスはどのように違うのでしょうか。ラクトバチルスは糖から乳酸を作ります。一方でビフィズス菌は、乳酸のほかに強い殺菌力のある酢酸も作り出します。この酢酸が悪玉菌の増殖を抑えると考えられています。
悪玉菌はアルカリ性の環境を好み、酸性の環境では死んでしまう性質があるため、酢酸によって腸内を酸性にすると悪玉菌を減らせるのです。食べ物に含まれる酢酸は大腸に届く前に吸収されてしまいますが、ビフィズス菌は腸内で酢酸を生成するため、悪玉菌の増殖抑制に活躍します。
悪玉菌の特徴
悪玉菌は、タンパク質を分解して有害物質を発生させ、腸内環境を悪化させます。
悪玉菌はヒトの腸内では善玉菌よりも数が少ないものの、油断は禁物です。なぜなら、悪玉菌が増殖を始めると、無害だった日和見菌も悪玉化してしまい一気に数が増えるからです。日頃から、悪玉菌を少しでも増やさないようにすることが大切です。また、悪玉菌の割合は加齢とともに増加するとされているため、年齢を重ねていくほど注意が必要です。
悪玉菌の代表は、大腸菌やウェルシュ菌です。
大腸菌は、体内でビタミンB群やビタミンKを作り出したり、感染症を防御したりする働きもありますが、一定数を超えると腸内フローラのバランスを崩してしまいます。
ウェルシュ菌は、もともと肉食動物の腸内に多く住んでいる菌で、大腸菌よりも数は少ないですが、腸内フローラのバランスが崩れて悪玉菌が増えると暴れだし、さまざまな有害物質を生み出します。こうした有害物質が便秘や下痢、アレルギー、潰瘍性大腸炎などを引き起こすとも考えられています。血液によってウェルシュ菌が全身に運ばれると、肌荒れや代謝不良の要因になることもあります。
日和見菌の特徴
日和見菌とは、前述のように善玉菌でも悪玉菌でもない菌です。理想的な腸内環境では、腸内細菌のうちの7割と大多数が日和見菌だといわれています。日和見菌にはバクテロイデス、ユウバクテリウム、クロストリジウムなどの種類が存在します。
日和見菌は、悪玉菌が繁殖すると悪玉菌に、善玉菌が繁殖すると善玉菌になりやすい性質を持っています。そのため、腸内環境を良好に保つためには、ビフィズス菌の割合を一定に保ち、大多数の日和見菌を悪玉菌化させないことが大切です。
年齢によって変化する腸内細菌
腸内細菌の割合は年齢により変化するとされています。生まれた直後は腸内に酸素が多く存在するため、大腸菌や腸球菌のような酸素を好む菌(好気性細菌)が増えます。これらの菌が酸素を消費していくにつれて、腸の中から酸素が減っていきます。すると、生後3日目ごろから嫌気性のビフィズス菌が増え始めます。
4~7日目にはビフィズス菌が腸内細菌の95%を占めるようになり、離乳の時期までこの状態が続きます。食事をとりはじめると、日和見菌が増えて、ビフィズス菌の割合は2割程度に落ち着くとされます。その後、ビフィズス菌は中年期から減少し始め、年齢を重ねるとともに悪玉菌が増えていきます。
腸内環境が悪いと、どんなことが起きる?
腸内フローラのバランスが崩れると引き起こされることのひとつが、便の状態(量、形と硬さ、色とにおい)の変化です。
便の量はどれくらいが適当なのでしょうか。日本人の平均的な便の量は、1日当たり125~180g(バナナ1~2本弱)とされています。食物繊維の摂取を増やすと200~300g(バナナ2~3本)まで増えます。便の量が多いということは、菌の量が多い、食物繊維の摂取量が多い、腸のぜん動が盛んで腸内フローラのバランスが整っているということです。
形と硬さはどうでしょうか。便の水分量は70~80%、ほどよい柔らかさのバナナ状の形がよいとされています。食生活の乱れやストレスなどで腸の運動が低下すると、食べ物の消化に時間がかかるため便の水分が失われていき、便の状態が次第に硬くコロコロ・カチカチ状に変化します。
色も腸内環境を反映するとされています。ビフィズス菌が9割以上を占める赤ちゃんの便は黄色に近く、年齢を重ねるにつれ茶色から黒っぽい便に変化していく傾向があります。酸性・アルカリ性の程度(pH)との関係でみると、赤ちゃんの黄色い便は酸性(pH.5~5.5)、pH 6.5を超えると茶色になり、pH7以上になるとアルカリ性の黒い便になります。成人の健康な便はpH5.5~6.5とされます。
また、便のにおいが悪いときは腸内環境が悪化していると考えられます。
反対に、腸内環境が整えられるとどんなことが起きるのでしょうか。近年、腸内環境が全身の健康状態に影響を及ぼすことが明らかになってきています。
以前から知られている腸内環境の役割のひとつが免疫です。腸には外部からの侵入、つまり口から取り入れた栄養素や水分が入ってくるため、上皮細胞と免疫細胞によるバリア機能構造を備えています。加えて、腸内細菌が病気の原因となるウイルスや細菌などが定着したり増殖したりするのを防ぐことが知られています。
また、最近注目を集めているのが代謝における腸内環境の影響です。肥満の人は腸内環境のバランスが偏っていたり、腸内細菌の種類が減少していたりすることが明らかになっており、その点からも腸内環境を整えることが大切と考えられています。