冷え性のタイプと根本原因にせまる」カテゴリーアーカイブ

更年期の冷え

冷えとのぼせは、更年期障害にもよくみられる症状です。こうした症状の改善はホルモン補充療法法や漢方治療などが効果的です。

冷え症は、更年期障害とも関わってくる

更年期とは、女性ホルモンの分泌がしだいに減少し卵巣機能が衰えはじめる時期から月経停止を迎えて、さらに数年後までの女性の体の転換時期をさします。
更年期障害とは、この体の転換期に起こる様々な症状のことです。通常45~55歳くらいまでに更年期を迎える人が多いようです。これまでに述べてきたように、女性ホルモンは自律神経と密接に関連しています。したがって女性ホルモンの分泌状況が変化するとともに自律神経系にコントロールされている様々な身体機能に変調をきたします。更年期障害に特有の症状である、頭痛、耳鳴り、めまい、不眠、イライラ、腰痛、冷え症などはその結果です。

ホルモン補充療法とは?

体の冷えとのぼせは裏表の関係といえばいいでしょうか。これらの症状が現れる、あるいは、それまでの症状がひどくなった時期が更年期障害に重なっているときは、婦人科を受診するのが冷え症改善の近道です。現在、更年期障害の治療には、イライラ、うつ症状など精神的な不調を示す人には、カウンセリングや抗不安剤や抗うつ薬の処方を、死体的な変化が大きい人については、漢方薬も含め、それぞれの症状に応じた薬を処方しています。最近では、ホルモン療法の効果に注目が詰まっております。この療法は不足する女性ホルモンを補充することで、更年期の症状を改善しようというものです。
ホルモン補充療法がアメリカではじめられた当時、女性ホルモンは卵巣から分泌される卵胞ホルモンだけを補充していました。そのため、子宮内膜ガンや乳がんが発生しやすいというものでした。
しかし、その後の研究などでエストロゲン黄体ホルモンであるプロゲスタンを併用することにより、子宮内膜がんの発生は抑えられることがわかりました。乳がんについては、現在も研究が継続されていますが、5年以上のHRTで若干リスクが高くなるのではないかという見解が一般的です。一方、HRTが様々な更年期障害の症状の改善に、成果をあげているのも事実です。また、骨粗鬆症や高脂血症など生活習慣病(成人病)の予防につながるデータを示されています。

更年期の15項目の自覚症状チェック

  1. 顔がほてる
  2. 汗をかきやすい
  3. 腰や手足が冷える
  4. 息切れ・動悸
  5. くよくよしたり憂鬱になる
  6. 怒りっぽくイライラする
  7. 寝付きが悪い、または眠りが浅い
  8. 頭痛、めまい、吐き気
  9. 疲れやすい
  10. 食後に胃がもたれる
  11. 便秘がちである
  12. 吹き出物ができやすい
  13. 手足がしびれる、感覚が鈍い
  14. 肩凝り、腰痛、手足の痛み
  15. 尿が近い、尿漏れ

冷え症は何科を受診するのがいいのか?

冷え症はまず合併症と心身の状態を自己診断した上で整形外科、婦人科、内科、診療内科などその最も近い科で受診します。

冷え症の原因、症状から受診する科を選ぶ

手足から腰、首まで冷えは全身にわたり、さまざまな病態につながりますが、たいていは、体の最も弱い部分や疲れた部分に出現します。
以下の表からチェック項目とチェックした結果と自分の冷えをの実態をチェックします。このように冷えと素直に向き合うことにより完治への突破口となります。

チェック項目

  1. どの部分がどういう冷え方をするのか
  2. 冷えた時に痛み、しびれなどの異常が起こる部位はどこか
  3. 冷えが起こったのはいつからか
  4. 仕事、私生活の変化など現在の生活状況はどんな状態か。大きなあるいは、継続的なストレスの要因はないか
  5. 自分の体質、病歴を含めた今までを振り返る。定期診断の記録がある場合はこれらを見直す

チェックの結果

  • 冷え症のほかに、体に何らかの不調が見つかればその病気に一番近い科を受診
  • 月経や更年期が思い当たれば→婦人科を受診
  • 腰痛や関節痛を併発しているようならば→整形外科を受診
  • 一身上の大きな転機や変化など、ストレスがあれば→診療内科を受診
  • 貧血、低血圧があれば→内科を受診

これらはまだまだ数少ない例ですが、冷えを病気ととらえる考え方に変えるきっかけにします。
※婦人科や泌尿器科などの既往歴があればこちらを受診するといいでしょう。

冷え改善治療で西洋医学と東洋医学の違いは?

特定部位の症状を早く改善する西洋医学、体全体の改善が主な東洋医学。最近では双方のメリットを生かした治療が行われます。

西洋医学と東洋医学

西洋医学は、膨大な臨床試験のデータに基づき、症状とその原因となる病因を見極めた上で治療が行われます。症状ごとに因果関係に基づいた根治療法と同時に対症療法が行われます。
冷え症の場合、自律神経由来のものか、婦人病由来のものかで治療法は異なりますし、処方される薬も異なります。
これに対して東洋医学はすべての病気はその人の「気・血・水」の流が滞っていると考えます。それぞれの症状の背景にある「気・血・水」の異常を正すことを主眼におきます。東洋医学では、病因を1つに特定することはありません。病気の背景には、睡眠不足や過労、生活習慣の乱れ、食生活の乱れなどがあると考えます。それらがベースにあった上で、抵抗力や再生力が落ちるなどの弱いところに病気が出ると考えています。

冷え症には漢方治療の相性がいい

簡潔に西洋医学と東洋医学の異なる点をまとめると、西洋医学的治療は、部分→全体へ、東洋医学的治療は全体→部分へ、おちう方向ですすめられていく、といことです。
したがって、急性の病気や外科的治療を必要とするものは、西洋医学、慢性の病気や体質、生活習慣病に関連した病気は、東洋医学が適切だといえるでしょう。
冷え症は、腰痛から心身症まで病態が多岐にわたるため、どちかというと東洋医学よりの治療が効果を発揮します。東洋医学での冷え症は、まず「血の道(血液循環)の病気ととらえます。その治療は、寒さ暑さの感じ方や病気に対する抵抗力あるいは、体質、気質までを含めた全体を診ます。

江戸時代までは漢方が医療の主流

江戸時代までは、漢方が医療の中心でした。漢方医療が明治時代になって急速に衰退したのは、明治8年、医師免許が西洋医学を学んだものにしか与えられないという施策によるものです。
当時西洋医学の約5000人に対し漢方医は2万5000人もいたのですが、激減していきました。
最近は、西洋医学が全て万能であることはなく、漢方のよさも認められ両方を併用する病院が増えています。

すぐ病院で受診する必要のある「冷え」の例

手足のしびれ、痛み、皮膚の色が変色…こういった冷え症の症状は病気の可能性があります。すぐに受診します。

全身に及ぶ冷えと動悸・息切れ、顔のむくみ、肌のかさつき

これらの症状は貧血、甲状腺機能低下症が疑われます。貧血は、鉄欠乏性貧血やダイエットによる栄養不足、血液疾患や胃・十二指腸潰瘍などによる出血が原因になっていることもあります。甲状腺機能の低下は、ダイエットにより二次的に生じてくる場合もあります。いずれにしても内科での検診が必要になります。

手足の冷えと手足のしびれ・鈍感覚<痛みがあり、その部位が白、赤、紫などに変色し動かせなくなる

レイノー病(レイノー症候群)、動脈血栓症、動脈塞栓症、バージャー病。こうした末梢障害では、その部位に血液が流れなくなるため、そこから先の末梢組織、細胞が死んでその部位の色が変わるのが特徴です。

全身の流動的な冷え、とくに足腰の冷えと食欲減退、無気力

アジソン病、自律神経失調症、鬱病。アジソン病は副腎皮質の機能低下により皮膚が黒ずんでしまいます。物事を悲観的に考えてしまう場合は自律神経失調症やうつ病の可能性もあります。

まとめ

レイノー症候群 振動病・膠原病など特定の病気に伴う症状をレイノー症候群といいます。指のむくみや指先の潰瘍などを併発することもあります。
動脈血栓症・動脈塞栓症 動脈血栓症は、血液のかたまり(血栓)が動脈をふさぐ病気。動脈塞栓症 は心臓などで生じた血栓が末梢に運ばれてその部位の動脈をふせぐ病気。
バージャー病 手足の動・静脈の炎症で血栓ができその部位に血液が流れる病気。現在のところ、まだ原因は不明。発症部位はひざ・ひじから下で中年以降の男性に多い。

頑固な冷えは対症療法だけでは治らない

冷え症を改善する薬はありますが、それを服用しても根治しないのが慢性の冷え症です。

冷え症の治療薬はホルモン剤?漢方?

冷え症という症状だけで病院を受診する人はほとんどいません。大半は、婦人科疾患、内臓疾患、足腰の痛みで整形外科を受診します。
実際の症状を問診してしみて冷えが原因であることがわかります。冷え症そのものがすぐに重大な症状に至らないことと、厚着や暖房などである程度は改善されえしまうからです。
これは、改善されているわけではなく症状が少しだけ軽減されている状態です。通常、西洋医学では冷え症は病気としてとらえていません。医学事典には、かろうじて記述がありますが、翻訳ものでは冷え症の項目は見つかりません。
冷え症に対する対処法としては、更年期障害に伴う冷えにはホルモン補充療法、ひどい月経痛には漢方薬の当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などによる治療を行います。
低血圧症状の場合には、塩酸ミドドリンや硫黄アメジニウムなどの比較的副作用の少ない治療薬を処方します。

冷え症の根治は対症療法と体質改善を同時に

冷え症の特徴は慢性・再発性であることです。当面の苦痛を取り除く対症療法や漢方治療で改善されたように見えても一時的なものにすぎません。
冷え症を根治するための最善の方法は、対症療法に加えて「冷え症」体質を改善するための日常生活の改善です。
お風呂にゆっくり長くつかるなどは、毎日続けなければ効果がでてきません。食事についても1日3食ある食事で体を本する、または温める効果のある食材を少しでも多くとるようにしますが、これらは、ずっと続けることで効果が少しずつでてきます。

冷えの天敵、ストレスをセルフチェック

自分の思考や考え方のくせを別の点からチェックすると自分はどんなことにストレスを感じているかが見えてきます。

セルフチェックのための3つのポイント

次の3つの局面があります。

  1. ストレスに関する事実をどうとらえているか
  2. 自分がそれらの事実に実際にどう対応しているか
  3. 現実的にどうすれば、これまでの対処法を乗り越えて行動できるか

というものです。こうしたチェックポイントを具体的に見ていきます。

1.ストレスになっている事柄をあげてみる

不安になるとき、落ち込むとき、また何か不快な感情が生じたとき、その状況やそのときの感情をできるだけ具体的な言葉で書き留める。どうような要因が、そのときの気持ちを引き起こしているのか、事実関係をできるだけ客観的に記す。

2.そのストレスにどのように対処しているかあげてみる

その要因に対して、どのような対応をしているか、その状況が今後どのように展開していくと考えられるか、思うままに記す。
多くの場合、その思うままの自然な予測は、その人のストレスへの受け止め方、対処のしかたを表している。
この場合、不適切な対処方法のパターンは次のようなものです。

  • 根拠なき結論
  • 根拠があいまいなのに、あわてて結論づけてしまう

  • 二分割思考
  • 白か黒か極端に結論づけてしまう

  • 拡大・縮小
  • ささいなことを過大に受け止め、それにとらわれすぎてよい材料を見落としてしまう

  • 過度の一般化
  • ささいな事実がすべてであると決めつけてしまう

  • 個人化
  • すべてを自分の責任のようにとらえてしまう

  • 情緒的意味づけ
  • 感情のままに結論づけてしまう

これらは、物事のとらえ方の誤りであり、こうした不適切な思考は、多くの人の物事の受け止め方の中にあり、ストレスとして感じていることが少なくないのが実状です。

3.より適切な対処ができないかを考え、次に行動を起こす

過去にこだわらず、これから先のことを考えてみる
そのとき、極端に悲観的にとらえるならどうなるのか?逆に極端に楽観的にとらえるならどうなるのか・そしてその中間として現実的にどのような予測が妥当なのかを考えながら、自分の対処方法に偏りがないか考える。
対処方法が行動にどう反映し、日常生活や人間関係の中で何か繰り返される偏った行動パターンがないか、検討してみる。
検討した結果の妥当な現実的対処方法に基づいて勇気を出して行動してみる。
実際、ストレスに強い人というのは、こららのことをナチュラルに考え、行動し実践している人なのです。

ストレスに強くなると冷え症にならない?

自律神経や心臓、血管までもに影響を及ぼすストレス。ストレスに強ければ冷え症にならないのでしょうか?

ストレスを受けると身体防衛機能が働く

ストレスという言葉をはじめて使ったカナダの生理学者ハンス・セリエはストレスを次ぎのように定義しています。
『ストレスとは、有害な刺激携帯(ストレッサー)に対する身体的防衛である』人体は怒り、悲しみ、苦痛などの精神的ストレスを受けると、体を防衛するために総力をあげて働きます。そうした体への負担が一時的なものであればむしろ能力発揮のためによい刺激となります。

過度なストレスと継続が体に負担をかける

しかし、ストレスが過重でしかも継続し、体の無理が必要とされ期間が長いと、当然からだの各部位には大変な負担がかかってきます。
そうした無理が限度を越えてしまったときに体は様々な形でシグナルを送ります。冷えもそのシグナルの一つといっていいでしょう。
冷え症の大きな要因は、ストレスによって自律神経のバランスが乱れ、体温調節機能が正常に機能しなくなるからですが、それだけではありません。細胞内で心臓や血管をコントロールしているβ受容体という物質もまた、非常にストレスを影響を受けやすいのです。

ストレスは五臓六腑にダメージを与える

ストレスは自律神経を乱し、体温調節機能や血液循環にも悪い影響を与えるのです。これでは体が冷えるのも当然です。
東洋医学ではストレスは「五臓六腑にダメージを与える」とストレートに表現します。

ストレスに強ければ…

逆にストレスに対して強い場合はどうでしょう?それだけ、体が冷えにくい条件を備えているといえます。同じストレスにあってもそれに対して全く動じない人もいます。
受け止め方によってストレスはよいものにも悪いものにもなるのです。

セルフコントロール

診療内科では、対処療法を行うと同時に、その症状の背景にある、様々なストレスに対するケアをします。
カウンセリング、認知療法、自律訓練法などがそれです。
しかし、その前にセルフコントロールが可能な場合もあります。そのときのポイントとしたいのがセルフチェック項目です。

ストレスはどのタイプ

■肉体的ストレス(物理的ストレス)

  • 病気・けが
  • 継続する寝不足
  • 体力以上のハードワーク

■精神的ストレス

  • 仕事や家族での人間関係
  • 自分の能力や性格と社会の折り合い
  • 自分の欲望(金銭欲、物欲)と表現性

■環境的ストレス

  • 暑さ、寒さ
  • 明暗
  • 騒音
  • 空気

過剰なダイエットで内臓機能が停止しまう

ダイエットが冷え症をはじめ、深刻な病気にまで発展することも。拒食症・過食症などの摂食障害について

ダイエットと摂食障害

低血圧や貧血は冷え症、便秘の大きな要因になりますが、ダイエットなどによる慢性的な栄養失調によるものと考えられています。しかし、ダイエットは低血圧や貧血だけでなく、さらに深刻な病を引き起こすことがあります。
最近、ますます増えている過食症(神経性大食症)、拒食症(神経性食思不振症)などの摂食障害です。とくに、問題なのは、ダイエットがきっかけになっていることです。
最初は、気軽に「もう少し痩せたい、キレイになりたい」だったのがどんどん過激になっていき、急激に減量して、食事を受け付けなくなってしまうというケースです。

冷え症にとどまらず内臓機能の障害も

ダイエットなどが原因で拒食症になってしまった若い人の中には、ゲームのような感覚でダイエットをはじめてしまったように見受けられます。
年齢は、15~20歳で体がまだまだ成長しなくてはならない大切な時期に多いのも特徴となっています。気軽にはじめたはずのダイエットも過激度を競うかのようにエスカレートして、ついに拒食症になってしまうのです。
こうなってしまうとダイエットも、危険と紙一重なのです。
食事をしない、ということは人体に必要な栄養補給がストップするということで、当然に心臓、肝臓、腎臓などの内臓機能に様々な障害が現れます。

5キロ体重が減少すると、月経不順、10キロで月経が止まる

女性は過激なダイエットなどをすると、婦人科内科に顕著に現れます。
体重が50kgの人が5キロ体重を減らすと、ホルモン分泌が異常となり月経不順になります。体重の2割にあたる10キロ減量すると、月経は完全に停止してしまうのです。
こうした場合、壊れてしまったホルモン分泌機能の回復には時間がかかります。
過食症の場合でも、体重は正常範囲なのに、必要以上に体重のことが気になり、過食と故意に自分で吐くことの繰り返しから、極端な栄養障害を起こし、拒食症の場合と同様に内臓やホルモンの障害を引き起こすと考えられます。
摂食障害の患者さんは、20歳前後が多く、全体の20%にもなります。
また、発症年齢のピークは、15歳と18歳でちょうど進学あるいは就職という人生の転機を迎える時期で本人以上に家族もストレスを抱えてしまうのが実状です。

ダイエットの基本は長期計画

ダイエットを一種の医療行為であるという自覚をもち、専門家の指導のもとに行うか、または正しい知識をもって取り組みます。遊び半分で行うのは危険です。
減量は1ヶ月に1キロ以下に抑えます。3キロ減量したい場合には、計画的に3ヶ月かけて行うようにします。
適切な食事と適度な運動を主体に長期計画で行うのが基本です。

ダイエットは基礎代謝を低下させる

過激なダイエットのデメリットは摂食障害を引き起こすきっかけになるだけでなく、熱産生機能の低下と同時に基礎代謝量も減少するのです。
つまり、大切な内臓や筋肉が減っていく割には、体重は減らなくなります。
ダイエットの基本は無駄な脂肪を落とすことですが、これでは健康を害して当然なのです。
ダイエットをすればするほど脂質がたまる、ということも頭に入れておきましょう。

冷え症の人は便秘と下痢を繰り返す

消化機能は冷えのダメージをすぐに受けます。それが冷え症の人に多い慢性の便秘・下痢です。冷え症がしっかり改善されると便秘・下痢は改善されていきます

便秘も下痢も冷えによる消化器官の機能低下が原因

冷たい物の飲み過ぎ、食べ過ぎ、寝冷えなどは下痢になる原因です。胃腸の場合は、冷えによる機能低下がすぐに下痢や便秘といった形で現れやすいのです。
冷え症の人は、胃腸の機能低下を招く「冷え」が慢性化してしまっているために、たいてい便秘、下痢、あるいはその両方を交互に繰り返すことが多いようです。一方、胃腸での消化吸収が悪くなると、栄養が全身に行き渡らず、自律神経の働きも鈍くなります。そして胃腸は、他の内臓と同様に自律神経のコントロール下にあるので、さらに機能低下するという悪循環に陥るのです。
このように、冷え症と便秘・下痢症は非常に深い関係にあるのです。

冷えが改善されると便秘・下痢も改善される

冷え症が改善されると、慢性の下痢や便秘の症状は改善されていきます。便秘の改善には、食物繊維を多くとる、十分な睡眠、規則正しい生活、適度な運動、適度な水分摂取などがが指摘されています。
ただしここで、冷え症体質なのに、冷たいミネラルウォーター をガブ飲みしたり、冷たいヨーグルトを一生懸命食べても、冷えを助長させるだけで効果がでない、もしくは便秘や下痢をさらに悪化させてしまうことになるのです。
このように冷えによる便秘の場合、腸の温度をあげることが一番ですから、運動などが効果を発揮します。また、お風呂にしっかり入り温める、などもいいでしょう。体を温める効果のある食事もいいでしょう。
冷えを取り除くために、足腰を動かすなどが効果をすぐに実感できます。
内臓と同じように、筋肉も大量の熱を生み出す組織です。ことに下半身には、全身の筋肉の7~8割近くが集中していますから、この下半身の筋肉を鍛え、機能を高めることで、体の熱生産性は非常に高まるほか、血液循環も改善されます。もちろん、下半身が冷えないように温かい下着や靴下をつけることも結果、便秘や下痢の防止策になります。

ひとくちメモ

排便の70%は水分
成人の1日の排便量は、約100~300g。約7割の水分と、吸収されなかった食物のかす、腸内細菌、消化液、消化管の粘膜がはがれたものなどが含まれています。
便秘をするとうさぎの糞のようなコロコロうんちになりますが、これは排泄されなかった便から大腸の水分、その他を再吸収するためです。
女性に便秘が多い理由
口から食べた食物は、口→胃→腸と体内をおよそ1日~1日半かけて9mもの長さを通って、最後にS状結腸→直腸に達して便となり、排泄されます。女性の体はこのS状結腸→直腸のあたりに子宮や卵巣があるため、腸が圧迫されてしまうのです。また、どうしても冷え性の人が多く腸への血流が悪いことも影響します。

冷え症+低血圧+貧血は悪のスパイラル

冷え症や貧血の人の多くは冷えに悩まされています。体に熱を運ぶ血液が不足していたり、パワーがないので、体が冷えてしまいます

動脈も静脈もパワーがない

血圧というのは、心臓から送り出される血液の血管内の圧力のことです。低血圧というのは、循環している血液にパワーがないことを意味します。一般的には、成人の最高血圧(収縮期血圧)が100ミリHg以下を低血圧といいます。
しかし、細かい数値は問題ではありません。血圧は計測時間や計測時の体調などによって20~30ミリHgは変動するからです。また、最高血圧が90ミリHg以下でも元気いっぱいの人もいれば、100ミリHgを越えていても元気のない人もいます。問題は、低血圧ゆえの倦怠感、めまい、肩凝り、冷えなどの症状がみられるかどうかです。

心臓から離れるにしたがって血圧も低くなる

血圧も体温と同様、体の部位によって異なります。血圧は、心臓から離れるにしたがって、また、動脈、毛細血管、静脈の順に低くなっていきます。
つまり、心臓から一番遠い足先の静脈の血圧は体の中では最も低いのです。血圧は低いほど、温かい動脈血が末梢へ流れにくいのは言うまでもありません。
さらに末梢から冷たい静脈血も心臓へ戻りにくく、うっ血も起こりやすくなるのです。低血圧であることは、冷え症の条件を満たしているのです。

貧血で酸欠は不完全燃焼

貧血というのは、血液中に赤血球および血色素(ヘモグロビン)が減少した状態のことをいいます。これら血液の役割は酸素を運搬することですから、貧血の人は、体の各器官に十分な酸素が届いていないということになります。
この足りない酸素を補うために、心臓は少しでも早く血液を送ろうとします。そのため呼吸も早くなります。貧血の人が動悸・息切れを訴えるのはこのためです。
一方、このような状態で各器官に運ばれた栄養は、ちょうど換気機能のないストーブで燃やされる石油のようなもので酸素不足のため不完全燃焼になりがちです。これではとても効率よく体を温めるといったことはできません。心臓への負担以外にも体の各部位も低酸素のため機能障害を起こすでしょう。その結果、さらに体は冷えるということになります。

女性は大半が潜在的な鉄欠乏性貧血

低血圧や貧血の典型的なタイプは、やせていて色白の、いかにも「虚弱」といった人です。これは、遺伝による影響も大きいのですが、遺伝とは別に無理なダイエットや不摂生などが原因で、低血圧や貧血を招く場合もあります。
貧血の多くは、鉄分やビタミンの不足ですが、毎月、月経で出血する女性は、約半数が潜在的な鉄欠乏性貧血であるといわれています。

低血圧・貧血の多くは栄養不足と痩せすぎ

最近の女性はかなりスリムなのに、まだ痩せようとダイエットをします。短期間に何キロも減量したり、特定の食品だけをとり続ける間違ったダイエットを夢中で行ったり…エネルギーになるカロリーはおろか、必要な栄養素まで足りていないのです。
ダイエットに夢中になる人たちには天敵のように思われる皮下脂肪には、元来、人間の体の断熱機能を果たしているのです。過度のダイエットは冷えはもちろん、ちょっとした気温の変化にも対応できなくなってしまうのです。
これはちょっとしたことでもすぐに体調を崩してしまう原因になります。
内臓が働くのに最適な温度は37度前後です。体が冷えてしまえば、体熱を生み出す力が低下し、血液の循環が悪くなってさらに冷えを招くといった冷えのスパイラルにはまりこんでしまうのです。

鉄欠乏性貧血の自己診断

自分が貧血であるかどうかは、血液検査をしてみなければ、正しい診断はできません。しかし、ちょっとしたチェックで確認ができるので、毎日見るくせをつけます。
洗顔時に、目や顔色を見るように、爪と舌もチェックします。
爪の色は多少の濃淡はあってもピンク系の色であれば問題ありません。これが白~青白いようなときは、貧血の疑いありです。形は横から見ると、凸型に丸みを帯びているのが健康な状態です。これが逆に凹型に反り返っている場合やスプーン指になっている場合は、貧血の疑いありです。舌も人によっては、濃淡は多少違いますが、唇の色と同じで赤みを帯びていたら問題ありません。しかし、赤みが少なく紫色に近くなれば、血液循環が悪くなり、体に冷えがたまってきている可能性があります。
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