最近の日本人の腸内細菌はどんどん減少している

便の量でわかること

人間がほぼ毎日排泄する便の約半分が、生きている、あるいは死んでいる腸内細菌です。

便1g当たりに約1兆個の細菌がいると言われています。私たちが食べたものは、食道、胃を経て腸に入り、約7mもの距離を移動しますいわゆる消化です。
なかでも一番長いのは小腸です。その長さは約6mあり、表面にはたくさんの襞や絨毛と呼ばれる細かい突起が生えています。切って広げると、その表面積はテニスコート1面分、約200㎡もあります。

この小腸で、食品中の成分を認識し、栄養分を吸収しています。そうして「残りカス」が大腸に送られ、ここでも吸収されなかった「残りカス」がさらに直腸にいって溜められます。

これが便なのです。だいたい24~72時間はど直腸で溜められて、量が多くなった時点で脳に刺激が伝わり、排便されます。現代人の正常な便は150~200gくらいです。戦前は350gほどあったのですが、食物繊維の摂取lが減ったことで、食生活の変化とともに便も欧米化してきたということです。

便の中身を詳しく知る

食物繊維は腸内を掃除してくれます。便の量を増やし、有害物質を吸着して体外に出してくれるのです。それによって腸内を、ビフィズス菌などの腸内細菌が棲みやすい環境に整えるわけです。

パプアニューギニアの住民は、主食にイモ類、副食に野菜と豆類だけを食べていました。どれも食物繊維が豊富に含まれた食品ばかりなので、免疫力も強くなっていました。食物繊維をたっぷり摂るので年齢よりも若くとてもフレッシュでした。

便が小きくなっている現代人は、腸内細菌が減っているということが考えられます。食物繊維が少なくなって、腸内細菌のバランスを崩している可能性があります。

便が小さくて貧弱なのは、腸内フローラが異常をきたしている証拠なのです。事実、小さな便には、ビフィズス菌が非常に少なく、かなりの割合で悪玉菌が増えていることが証明されています。
現代人の排便量は少ない

便が小さい(量が少ない)はアレルギーになる

腸内細菌が減少することとアレルギーの間には、深い関係があります。それは、腸内細菌が分泌するたんばく質にはアレルギーを抑える働きがあるからです。

腸内細菌が少なければ、それだけアレルギーを招く危険が高まることがわかっています。現実に、小さくて貧弱な便をするお母さんから生まれた子どもたちの多くが、アトピーやぜんそくなどに苦しんでいます。お母さんの腸内フローラがバランスを崩しているために、赤ちゃんがその影響を受けてしまうのです。

ちなみに、立派な便とは、つやのある黄土色で、バナナのような形状をしています。匂いもあまりきつくないのが特徴です。逆に、色が黒ずんでいたり、赤かったり、形が細切れだったり、コロコロに固かったり、水分が多くて泥状だったり、強い匂いがする便は腸内細菌のバランスが崩れている、あるいは食生活が乱れている、ストレスがある場合に見られます。

便は健康のバロメーターなのです。腸内フローラを整えるためにも、常にチェックするように習慣づけます。