「笑う門には福来る」ということわざがあるように、笑いは古くから心身の健康に良いとされてきました。特に、体内でウイルスやがん細胞を攻撃する**NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性が、笑いによって高まるという研究結果は多くの注目を集めています。しかし、面白いことが何もないのに、無理に笑っても効果はあるのでしょうか?
嘘笑いでもNK細胞が活性化する
NK細胞の活性を上げる1つの方法に、「笑う」ことがあります。おもしろおかしいことが何もないなら、笑ったフリをすればいいのです。
本当に笑わなくても、ムリしてでも笑った顔をすると、脳は勘違いしてNK細胞を出すのです。
脳が休の動きを指示していると言われますが、実は体の動きが脳を働かせている部分もある、という専門家も多数います。
「脳が楽しいから笑う」「脳が悲しいから泣く」のではなく、「笑うから楽しくなる」「泣くから悲しくなる」という理論です。
講演などは「笑うとNK細胞の活性が上昇しますので、ダジャレが面白くなくても無理してでも笑った顔をしてください」と言うのは、本当に効きそうです。
「作り笑い」でもOK!NK細胞の活性と笑いの科学
「笑うと免疫力が上がる」という話は、一度は耳にしたことがあるかもしれません。特に、体内でウイルス感染細胞やがん細胞を攻撃するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性化が、笑いによって促されるという研究は注目されています。
しかし、いつも心から笑える状況ばかりではありませんよね。「面白いことなんて何もない」「笑う気分じゃない」と感じる日もあるでしょう。そんな時でも大丈夫です。実は、おもしろおかしいことが何もないなら、笑ったフリをするだけでもNK細胞の活性に良い影響を与える可能性があることが、科学的な研究で示唆されています。
なぜ「作り笑い」でも効果があるのか?
実は、心からの笑いだけでなく、たとえ「作り笑い」であっても、NK細胞の活性化に良い影響を与える可能性が示唆されています。このリード文では、なぜ作り笑いでも免疫力に関わるNK細胞が活性化するのか、その科学的なメカニズムと、日常生活に手軽に笑顔を取り入れるヒントをご紹介します。
「作り笑い」がNK細胞の活性化に繋がるメカニズムは、主に「脳の錯覚」と「自律神経への影響」に関係しています。
- 表情筋から脳へのフィードバック: 私たちが笑顔を作ると、その表情筋の動きが脳にフィードバックされます。脳は、この表情筋の動きを「楽しい」「嬉しい」といったポジティブな感情と結びつけ、実際に気分を向上させる神経伝達物質(ドーパミンやセロトニンなど)の分泌を促すと考えられています。
- ストレスホルモンの抑制: ストレスはNK細胞の活性を低下させる大きな要因です。作り笑いでも、顔の筋肉を動かすことでリラックス効果が生まれ、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑制される可能性があります。ストレスが減ることで、免疫システムが正常に機能しやすくなるという間接的な効果が期待できます。
- 自律神経のバランス調整: 笑うという行為は、副交感神経を優位にする傾向があります。副交感神経はリラックス時に優位になる神経であり、その活動が高まることで、免疫機能が健全に保たれると考えられています。
これらの複合的な作用により、たとえ心からの笑いでなくても、「笑う」という行為自体が、体内のNK細胞を含む免疫システムに良い影響を与える可能性が示されているのです。
NK細胞とガン生存率の深い関係
NK細胞はガンを攻撃する細胞として、よく知られています。それを証明するデータがあります。
頭頚部ガンの患者さんの手術前のNK細胞活性を調べ、「強い」「弱い」「中間」の3 つのグループに分けて、術後3年間の累積生存率を調査したものです。
NK細胞の強いグループでは80%以上の患者さんが生存しているのに対して、中間のグループは約60%、弱いグループは約40% と、歴然とした差が出ました。
喉頭ガン(喉と甲状腺のガンを治すポイント 酒、たばこの害が大きい)になった患者さんを対象に、ダジャレを聞いてもらい、大いに笑っていただき、NK細胞活性を高める試みをしています。
なにしろ、笑った顔をするだけでNK紳胞が出るのですから、効果はてきめん。ガン再発の抑止に貢献していると自負しています。
落語が関節リウマチに効果
関節リウマチので「笑いが薬になるんじゃないか」という仮説の下で、実験が行われています。
関節リウマチというのは自己免疫疾患といって、本来なら異物を認識・排除する役割を持つ免疫系が、正常な細胞や組織に対しても過剰に反応して攻撃を加えてしまう病気です。
その自己免疫疾患には、全身の細胞をやっつけるものと、特定の臓器だけが影響を受ける臓器特異的疾患の2種類があります。関節リウマチは前者ですが、全身性のエリテマトーデスと違って、関節リウマチの症状は関節だけに現れます。
関節リウマチの患者さんを集めて、2つのグループに分けました。
そして、1つのグループには関節リウマチに一番効くとされている薬を服用してもらい、もう1つのグループには落語を1時間聞いてもらいました。
その後患者さんの血液を調べたところ、薬を服用したグループよりも、落語を聴いたグループの患者さんのほうが、NK細胞が活性化されて、症状が改善きれたことがわかったのです。
「笑いが多いはど効くのではないか」と思って、「落語を3時間聞いてもらう」という実験もしたのですが、今度はNK細胞の活性が低下する人が出てきてしまいました。何事もほどほどが一番、ということでしょう。
ちなみに、免疫力が低下して、体が病気でおかされてしまった場合にはβグルカンを摂取する方法もあります。
免疫力を活性化し、ガンや糖尿病の予防・改善に効果大のβ-グルカン
最近のコメント