アレルギーと予防接種

BCGを受けた子供は免疫力が高い

ほとんどの人は、子どもの頃にBCGという予防接種を受けたはずです。これは、結核菌による感染を予防する生ワクチンです。以前は、生後4歳未満の乳幼児と小学1年生を対象に、まずツベルクリン注射をして、検査の48時間後に腫れ具合を判定します。その腫れが9ミリ以下だと陰性で、BCGを接種していました。

現在は、5年ほど前に結核予防法が改正されたことにより、対象年齢が生後6ヶ月未満に引き下げられています。乳幼児期に重症結核にならないよう、早期に予防することになったのです。それにともない、ツベルクリン反応検査は行わないようになっています。

ところで、BCGを受けた子ども、なかでも追加免疫を受けた子どもほど花粉症になりにくい」というデータがあります。これは耳鼻科の先生方が言い始めたことで、結核菌が花粉症を抑えていることがわかりました。

結核菌は、細胞内寄生菌(病原菌)の増殖を抑制する働きがあり、この免疫系が強いとガンを抑え、またもう1一つの免疫系が強いと花粉症だけではなくアトピーやぜんそくなどのアレルギーにもなりにくくなります。結核菌はこの2種類の免疫系を強くするのです。ちなみに、丸山ワクチンというのは、結核菌のそういう作用を利用した薬です。

またアレルギー反応を抑えるのは、回虫や結核菌ばかりではありませんでした。結核菌などに加え、もっとも効果的な働きをしているのが、私たちの腸のなかに棲む腸内細菌だったのです。

抗生物質は免疫力を低下させてしまう

「感染症には抗生物質」と、相場が決まっています。微生物が産出する化学物質である抗生物質には、細菌の活動を抑える作用があります。誰でも風邪をひいたときなど、抗生物質を処方された経験があるはずです。

しかし本来、抗生物質は細菌にしか効果がありません。たいていの風邪はウィルス性なので、抗生物質は本当は効かないのです。

医師が抗生物質を処方するのは、風邪で抵抗力が弱っている人は、他の細菌の影響を受けやすいからです。元気なときは免疫システムが正常に機能しますが、病気になるとふつうなら何でもない菌が抑えられずに、何らかの感染症を起こす危険があるからだと考えられています。

つまり、風邪のときの抗生物質は、感染症の予防という意味合いで処方されているわけです。

しかし、風邪のときに抗生物質を使うと、逆に風邪が治りにくくなることがわかってきました。そればかりでなく、体の免疫力が低下してしまうことが明らかにきれたのです。
抗生物質は風邪の原因ウィルスに効かないばかりでなく、免疫システムに関わる他の菌にも作用して、その活動を抑制したり、腸内細菌のバランスを崩したりすることになるのです。

つまり、抗生物質によって腸内細菌が大幅に滅菌された結果、免疫システムが変調をきたし、アレルギー症状が誘発される危険があるということなのです。
しかも、抗生物質を使いすぎると、皮膚常在菌や腸内細菌などの一部が「耐性菌」に変異する場合があります。耐性菌とは、抗生物質に抵抗性を持つ菌のことで、細菌が生き残りをかけて、「やられてなるものか」と抗生物質に対して抵抗性をもってしまった結果です。

実際、抗生物質を多用きれた子どもで、中耳炎を起こす菌が耐性菌となり、なかなか治らない、といったことも起こっています。

さらに、そんな耐性菌が増えると、いくつもの抗生物質に抵抗性を持つ多剤耐性菌も出現してきます。それが大規模な院内感染につながるなど、問題が深刻化しています。

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