生かされている意味 感覚で感じ取ることはとても大切な感覚です。健康になりたい、幸せになりたいと、願うのは誰も一緒です「ではその幸せ健康は根ですか? それとも出てきた枝葉ですか? 」とたずねると、誰もが「根です」と答えます。
しかし、これは根ではなく葉なのです。健康や幸せや自由や平和といった、人間が願うことがらは見えないいのちです。根から実って現象として出てきているのですから、枝葉です。この当たり前のことなのに多くの人はびっくりしています。
健康も幸せも不幸も病気も、枝に実った実なのです。この辺からすでに考えかたが違って、健康という願いばかり追いかけて根を枯らすから、不健康の実りばかり出てきてしまうのです。
体の健康ばかり追いかけても、毎日の生活が健康的でなければ実現しません。その生活とは先にもふれましたが、衣、食、住、人間関係です。
ですから願いばかり先行しても、健康体に導く生活ができていなければ、願いとは裏腹な心のようにしか出てこないのです。生活を健康にしようと思うなら、心を健康にしなくては難しいのです。
心の健康とは、どう生きるか、どう考えるかです。それによって行動が違ってくるのです。食についても、いのちの尊さがわからなければ一時しのぎの三日坊主で終わります。朝の目覚めもおはようの挨拶も、この、いのちへの感謝の心があるかないか、生きてるのか、生かされているのかでまるで違ってくるのです。
何度もくり返しますが、心臓も肺も自分が動かしてはいないのです。これは自然の働きです。太陽を照らし雨を降らせ、土をうるおす、いのちあふれる自然の恵みをありがたくいただくのか、頭だけ、理屈だけで食べるのか。それが「いただきます。ご馳走さま」に表現されます。
日々の挨拶は生活の基礎、心の基礎、人間関係にまでつながります。住居にしても畳は酸素を出し、木や紙は生きて呼吸して、湿気の多い日本の風土に合うのは木造建築です。しかし、国土が狭いので今は鉄筋が多くなっています。そのため換気に気をつけ、自然をとりいれる工夫をするのも大切なことです。そんな日々の生活の健康が基礎となって、心を養います。それによって幸せも健康も育ち、運命の健康へと運ばれてゆくのです。
地球上のどんな生き物にも天敵がいますが、人間には天敵がいません。ただ「人間の心の中に天敵がいる」と言った人がいます。「貪・瞋・痴」です。つまり、貪り・怒り・愚痴が人間の天敵だということです。戦争をして人間は殺し合いをします。その時、心の中には「貪・瞋・痴」が渦巻いています。この天敵「貪・瞋・痴」の真逆が「感謝」です。
人間は誰もが、自分で生きているのではなく、生かされているのです。そして、生かされていることに感謝をする時、そこに報恩の気持ちが芽生え、〝社会や人に対して、何かしなければ〟という気持ちになり、人間は支え合って生きていけるのです。
私達が一番感謝すべきことは〝生かされている〟ということです。繰り返しますが、私達は生きているのではなく、生かされているのです。
商品説明
内容紹介(「BOOK」データベースより)
自分の意思によって綴られていくべき人生…。しかし、計り知れない、あるいは及ばない何か大きな力に導かれたり翻弄されて、時として“生かされている”人生を歩かなければならないこともある。その時々の心の置き所が人生を大きく変えていく…。
目次(「BOOK」データベースより)
正しい仕事の仕方のうそ・ほんと/生き方の考察ー「生きる」を見つめ直す/道徳を忘れてしまった日本人/神様・仏様に感謝する日々/日本の社会・日本の会社/今どき対人関係は大切ですぞ!/報道に翻弄されてはいませんか?/季節や花鳥風月を味わう/雑学と雑感の披瀝です/「自分」と言うロジックを解く/わが最愛なる家族/おまけの余談(老いる時間の中で)
著者情報(「BOOK」データベースより)
松谷範行(マツヤノリユキ)
1956年生まれ。地元の市役所に勤務し、市町村合併や行政改革、中心市街地の再開発プロジェクトを担当。56歳で早期退職し、鋼材の卸売業を営む会社に転職。現在、取締役管理本部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)