東洋医学の考え方、治し方

太古の治療

人は誰でも、生まれたからには、健やかに成長し無病息災で天寿まっとうを願うのが普通です。しかし、悲しいことに生きるものの常として、病気にかかっったり、いつかは死ぬといった宿命を負っています。
太古の人々は、病は悪魔の仕業であるとし、治すために呪術を用い、身体の中の悪魔を追い払う工夫をしました。
この原始的な治療法は、東洋医学と同じでした。東洋医学にも、分析と実証を重視する思想が生まれましたが、あまり深められることなく今日に至っています。

東洋医学と西洋医学の違い

その結果、東西両医学は、病にたいする考え方に大きな相違を生じることとなりました。具体的な相違は、「診断法」に現れています。東洋医学では、治療法を決定するために診断を行いますが、西洋医学では病名を決定するために診断を行います。東洋医学では、「局所の病気も全身の不調和から起こる」と考える立場から、病人の症状を重視した心身一如の基本に沿った治療を行います。
これに対して、西洋医学は決定された病名にもとづいて、局所的な治療に重点をおいて行います。

中国医学の特色

さて東洋医学、ことに中国医学の生まれた経過を簡単に見てみます。中国の国土は、東西は沿岸線から砂漠まで南北は、亜熱帯から寒帯までと広大で自然環境は多様です。自然環境が多様であれば、病の姿も多様です。各地の風土によって、病気の内容も違ってきますから、育ってくる治療法も地域ごとに特色がありました。
たとえば、中央地域では導引あん摩(手技)が発達し、東方地域ではへんせきが
西方地域では、とうせきが南方地域では、鍼が北方地域では、お灸がそれぞれ生まれ発達しました。いずれも地域の環境・風土に適した治療法だったのです。

東洋医学の成立

今から2000年前の漢の時代に入って、広大な中国大陸が統一されるとともに、各地の治療法は集大成されしっかりした体系をそなえるようになりました。東洋医学の成立です。
今日、東洋医学というと、湯液(漢方薬)と鍼灸に限られた感がありますが、5種類の治療法が、本来の漢方諸方です。したがって、昔の漢方治療は、鍼・灸・あん摩・導引・漢方薬をいろいろに組み合わせて総合的に行っていたのであって、現在のように鍼専門、漢方専門とバラバラに治療するのは、東洋医学本来の姿からは大きくかけ離れたものです。

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