腸と病気との深い関係性について」カテゴリーアーカイブ

腸の汚れ

腸が汚れると他の臓器も次第に汚れていく

腸が汚れると至る体の部分が汚れていく

腸内の悪玉菌が増え、腸内環境が悪化して、腸が汚れてくると、消化吸収機能が落ちて、せっかく摂った栄養素が十分に吸収されなくなります。

すると、他の臓器も機能不含に陥ることになり、その結果、体のあちこちに影響を及ぼすことになります。人が生きていくために必要な栄養素のほとんどを吸収しているのが腸です。

腸以外の器官がいくらきれいで正常に機能していても、人は生きていけません。脳死は脳が死んでしまった状態で体が生きていることですが、腸が死んでしまったら人は必ず死んでしまいます。

腸には汚れやすい条件が揃っている

腸が汚れる原因は腸の特徴にあります。腸は、他の場所と比べると、

  1. 37度で温度が一定
  2. 栄養分がある
  3. 水分がある

という特徴があります。これは、微生物がとても増殖しやすい条件をそろえています。これと同じ条件の場所、たとえば真夏の生ゴミ置き場がそうです。ものすごいスピードで腐り、とんでもない臭いを発するようになります。

こうした条件は、特にタンパク質を分解する悪玉菌には絶好の環境なのです。そんなところに、悪玉菌の大好物を置いたらどうなるでしょう。悪玉菌の大好物は、動物性の脂肪やタンパク質などです。

油でギトギトの唐揚げ、生クリームたっぷりのケーキ、コッテリしたスープのラーメン。

多くのみなさんの大好物かもしれませんが、これは悪玉菌にとっても大好物なのです。これが悪玉菌のエサとなって、硫化水素やアミンなどの毒性物質を作りだしでしまう。これが汚れの原因です。

便秘とは、生ゴミが溜まったままになってしまっているともいえます。便通を良くして、1日1回は、体内のゴミをトイレに廃棄し、腸内をスッキリさせることが大切です。

腸の役割

消化、免疫防御~解毒まで、腸の役割は幅広い

腸は多機能

腸という器官がきわめて優れている理由の1つは、その働きが多岐にわたることです。「消化」「免疫」「解毒」という役割すべてを、腸は一手に引き受けています。
ここではこれらの役割について、簡単に説明しでいきます。

腸の役割その1 「消化」

腸の役割としてよく知られているのは、消化です。胃とともに食物を分解し、吸収する機能です。
口から入ってきた食べ物は消化吸収さすいえきれ、だいたい24時間後に排泄されることになります。
胃では、膵液によるでんぷんの消化を行ない、ここで多くの病原菌が胃酸によって殺され、腸に運ばれます。

小腸は4~7メートルの長さがあり、十二指腸で分泌される唾液、胆汁、腸液によっで消化が進み、胃液の強い酸性が中和されることになります。栄養素のほとんどは腸で吸収されているので、腸が機能しないと、人は生きていくことができません。

腸の役割その2「免疫」

免疫防御は、外から侵入してくる有害な物質を追い出す機能です。食べ物は人間にとっては異物なので、それを体内に入れてよいかどうかを判断するのが腸の役割です。

病原菌などの有害物質から体を守るために、腸には強い免疫系が必要になるのです。小腸には「パイエル板」などの免疫組織があり、この腸特有の免疫組織を活性化しているのが、1000種類以上、1000兆個以上も棲息している腸内細菌なのです。

腸の免疫細胞が免疫防御の機能をしっかり果たしている限り、病気になることはありません。「自然治癒力」の強弱が最近よく問われますが、腸が免疫防御の機能を果たしていれば、自然治癒力は高く保てるということなのです。

腸の役割その3「解毒」

免疫防御は、広い意味では解毒ということもできます。解毒の機能を果たす器官としで知られているのは肝臓ですが、肝臓の仕事を軽減させているのが腸なのです。

外から入ってくる有害物質は、まず腸が免疫防御機能でブロックし、ブロックしきれなかったものだけが肝臓に送られて、そこで解毒されます。

つまり、腸が正常に免疫防御の機能を果たさないと、肝臓にたくさんの有毒物質が送られてしまいます。その結果、肝臓には多大な負担がかかり、最悪の場合は肝臓の機能不全に至ります。

肝臓の病気は心臓や呼吸器の病気を誘発するので、腸が免疫防御・解毒の役割を果たすことがこれらの病気を未然に防いでいるといってもいいと思います。

腸の働きといえば、「消化」だけがクローズアップされてきました。しかしこのように、腸は私たちの健康のカギを握る、たくさんの重要な役割があるのです。

老化現象は腸からはじまる

老化の指標

私たちの体は60兆個もの細胞によって構成されています。これらの細胞は分裂する際に、静止状態から分裂を準備する時期(GI期)を経て、遺伝子を2つに分ける時期(M期)を待って、自分の体を分断することで増殖します。

「P16 」というタンパク質が最近、「老化の指標」として注目されていますが、この「P16 」は細胞分裂のとき、GI期で細胞の分裂過程をストップさせるタンパク質なのです。つまり、「P16」というタンパク質が分泌されると細胞分裂ができなくなるのです。

ガン細胞は細胞周期が歯止めなく回り続け増殖するのが特徴なので、これにストップをかける「P16」は「ガン抑制遺伝子」の1つになる一方で、正常細胞の増殖も抑えてしまいますので「老化の指標」にもなり得るわけです。

血液の届け先第1位は胃と腸

ところで、歳をとるなかで、「P16」がいちばん早く出現する臓器が「腸」と「腎臓」なのです。これは腸と腎臓がもっとも早く老いる臓器であるということを示しています。

私たちにとって「食べること」と「排泄すること」は、生まれてから死ぬまで休むことなく続く、もっとも大切な仕事なのです。そして、このことに直接関係している「腸」と「腎臓」は1日も休むことなく働いています。したがって、もっとも早く老化してしまうというわけです。

そのことはこれらの臓器に配分される血液量を見てもわかります。心臓は各臓器に1分間に5リットルの血液を送り出していますが、その消費先の第1位は胃と腸で30%、第2位は腎臓の20%、3位は脳と骨格筋のそれぞれ15%です。

このように体のなかでもっとも働いているのは腸をはじめとする消化器なのです。そして、この「老いやすい腸」をそのまま老化させてしまうのも、頑張って若返らせるのも、腸内細菌次第というわけです。

脳より腸の判断

腸が下す判断は脳よりも的確で正しい

脳より腸の声に従うほうがよりベター

脳がない腔腸動物は、腸で判断をして生きています。つまり、腸が脳の働きを担っているというわけです。人の腸には、大脳に匹敵するほどの数の神経細胞があります。
それは、脳の祖先が腸から始まったことに起因しています。脳は食べ物が安全かどうかは判断できませんが、腸にはそれが可能です。

脳は食べ物が安全かどうかは判断できませんが、腸にはそれができるのです。ポテトチップスやファストフードにはまる人がいますが、それは脳で判断しているからです。食中毒菌が混入した食べ物でも、見た目が美味しそうなら脳は「食べてもいい」「早く食べたい」などと判断します。

しかし腸は有害な菌が入ってくると激しい拒絶反応を起こします。脳は危険な食べ物にダマされますが、腸は人の体にとって、安全なものでないと、吐き出したり下痢を起こしたり、体が中毒にならないように反応を起こすのです。

ポテトチップスが無性に食べたくなる理由

何かを食べて満足するのは、脳内にある種の快楽物質が放出されているからなのです。たとえば神経伝達物質のドーパミンが脳内に放出されると、多幸感を得られ、ハイな気分になれます。

チョコレートやポテトチップスやファストフードを食べるのが習慣化してやめられなくなるのは、人間が脳内の快楽物質の虜になるからなのです。

脳はポテトチップスやファストフードが欲しくて仕方ありません。腸はそれらを「安全ではない」と判断しているのですが、脳の指令に従って摂った食べ物は、否が応でも腸に送り込まれてきてしまいます。

その結果、腸は健全な状態を保つことができなくなり、腸内細菌や腸の細胞が大きなダメージを受けます。脳の誤った判断に、無理やり腸を従わせていることが、腸内環境を悪化させ、現代にさまざまな病気を蔓延させている元凶になっている、ともいえるでしょう。

健康を保つためには、腸の声に耳を傾け、「脳」よりも「腸」の判断を優先させることです。

内臓は腸が進化したもの

賢い臓器の「腸」はそれらが進化して他の臓器に進化した

腸の「すごさ」に気づかずに生活しているのですが、人類の進化と大きく関係している臓器なのです。

脳も肺も、腸から進化した

腸の驚くべき「すごさ」の秘密は人類の進化、ひいては生物の進化にあります。生物が地球上に現れたのは、約40億年以上前のことです。

たった1つの細胞からなる単細胞生物として出現し、それから複数の細胞をもつ多細胞生物になっていきました。多細胞生物は、生き延びるために進化する過程で、初めにある器官を作り出します。それが腸です。

発生学的にもっとも原始的な器官が、実は腸なのです。今でも腔腸動物といって、イソギンチャクやヒドラなどの腸だけしかない動物がいます。

脳や心臓をはじめ、あらゆるものがありません。これらの動物は、口と肛門も分かれておらず、入り口から体内に入った食べものを消化し、入り口から排出するという、いわば「腸だけ」ともいえる単純な構造です。脳のない腔腸動物たちは、腸でさまざまな判断を下しているのです。
進化の過程で腸は次のように、さまざまな臓器に進化を遂げたといわれています。

  • 栄養分を琴える細胞が腸から分離して肝臓に
  • 血中の糖分を調整するホルモンを分泌する細胞が分離して膵臓に
  • 食物を一時貯蔵するため腸の前部が胃に
  • 酸素を吸収する細胞が肺に
  • 腸の入り口、つまり口にある神経の集合が脳に

このように、生物の進化の歴史からみても、腸はあらゆる器官の源だといえるでしょう。腸は、体の多くの器官や神経と密接にかかわっていますが、このような進化の経緯があったからなのです。

「腸」は「脳」の指令なしに独自に働ける

腸の機能の1つが、体内に入った有害物質をブロックし、排除することですが、そのような働きを、腸は脳の指令なしに自分の判断で行なっています。

腸は独自に、状況に応じて解毒作用を行なったり、肝臓や膵臓などほかの器官に指令を出し、適切な処理法を決定するのです。こうしたことができるのは脳以外の臓器ではたいへん珍しく、全身麻酔をかけられても、脊髄損傷で脳死状態になっても、腸が正常に働き続けるのはそのためなのです。

腸にトラブルや病気があると、この独自の判断能力に支障をきたし、それは当然、体内システムにも影響を及ぼします。腸はこの独自の機能のため、「第二の脳」とも呼ばれていますが、それだけでなく、さらに進んで、「腸は脳よりかしこい」という味方もえきます。

また、「脳腸相関」という言葉があるほど、脳と腸とには切り離すことのできない密接な関係があるのです。意外に思われるかもしれませんが、考えることもできる臓器が腸で、脳で考えたことは腸に、腸で考えたことは脳に、ダイレクトに伝わるようになっています。
この密接な関係も、腸が単に重要な器官であるだけにとどまらず、「脳よりかしこい臓器」と言える理由なのです。

腸はあらゆる器官の源
  • 腸の入り口、つまり口にある神経の集合が「脳」に
  • 酸素を吸収する細胞が「肺」に
  • 食物を一時貯蔵するための腸の前部が「胃」に
  • 栄養分を蓄える細胞が腸から分離して「肝臓」に
  • 血中の糖分を調整するホルモンを分泌する細胞が分離して「膵臓」に