コレラ菌

コレラ菌が体内に入っても下痢をしなかった

自分の体で、人体実験

腸内環境の重要性を実感していただくために、ここで少し私のエピソードを紹介しましょう。これは私が行なった「人体実験」の話です。

その昔、私はアメリカで実験のためにコレラ菌を飲んだことがあります。まさに自分自身の体を使って人体実験をしたわけですが、私は直感的に「腸内環境さえよければ、コレラ菌を飲んでも体に影響は出ない」と感じていたのです。私の直感は正しく、おなかの調子はまったく悪くなりませんでした。

腸内細菌の大切さを自分の体で証明したわけですが、続いで私は「抗生物質を飲んでから、コレラ菌を飲んだらどうなるのだろう? 」と考えました。

思いついたらやらずにおれない性分で、抗生物質を飲んで腸内細菌を弱らせたあとにコレラ菌を飲んでみました。われながらスゴイ実験をしたものとあとになって自ら感心したのですが、その結果、これまた私の直感どおり、ひどい下痢になってしまいました。

私はこうしてコレラ菌が悪さをするかどうかは、ひとえに腸内環境によるということを身をもって体感したのです。たくさんの菌がいる場所では、1つの菌が思うままに悪さをすることはできません。それぞれの菌が増えたいと行動するのですから、1つの菌だけが増殖するのは到底許されないというわけです。

インドネシアでの逆転現象

これは人間の腸内環境だけに限った話ではありません。それを目の当たりにしたのは、インドネシアのカリマンタン島に行ったときでした。

当時、インドネシアに滞在していたのですが、住んでいたのはカギもついていない、川べりの民家でした。なぜ川べりだったかというと、もっとも便利な交通手段が船だったからです。

ここではトイレは川の上にあり、落としたウンコを魚が競い合って食べるのですが、このウンコがプカプカ浮かんでいる川のなかで、女の人が洗濯をしたり、子どもが泳いで遊んでいたりするのです。そんな汚い川で遊んでいたら病気になってしまうだろうと心配したのですが、何度となくそこを訪れても、子どもたちはとても元気でした。

それは、子どもたちが特異体質だからではありません。川にたくさんの菌がいたからです。たとえ病原菌がいたとしても、ほかの菌が数えきれないほどいるのですから、悪さをすることはできないのです。

汚く見える川は、実は安全な遊び場だったというわけです。反対にジャカルタ市街に敷かれている水道管は原水に塩素を大量に入れて菌を殺しています。すると、どこかから忍び込んだ病原菌にとっては増殖しやすい環境になっていて、爆発的に病原菌が増殖しでしまうことがあります。インドネシアでは市街地の水道水よりも川の水のほうが危険性が低いという逆転現象が起こっているのです。

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