血液型 腸 の関係性についてです。日本人は「血液型」の話が好きです。たとえば、性格判断では、A型の人は「几帳面」、B型は「自由奔放」、O型は「大ざっば」、AB型は「二重人格」といわれています。これについて、科学者の多くは否定的です。
血液型で免疫力に差が 血液型 腸 の関係性
日本人は「血液型」の話が好きです。たとえば、性格判断では、A型の人は「几帳面」、B型は「自由奔放」、O型は「大ざっば」、AB型は「二重人格」といわれています。これについて、科学者の多くは否定的です。
なかには、「血液型は血液中のタンパク質によるものであって、性格とは何ら関係がない。血液型性格論は「エセ科学」である」と言った学者もいます。
しかし、この学者は、人の血液型を決める「血液型物質」というものがどんなものであっで、どのようにして出現してきたかを知らないようです。私は、血液型によっで性格が決まるようなことがあってもよいと考えています。
これは血液型占いを信じているからではなく、免疫学者としての観点からです。人間は、血液型によって、生まれながらにして免疫力に差があります。
血液型 免疫力 の違い
血液型によっでかかりやすい病気とそうでない病気があるのです。その結果として「血液型で性格がある一定の方向に向かう」ことがあっても不思議ではないと考えているのです。
たとえば、A型はさまざまな病気に比較的かかりやすい傾向にあります。そのため「慎重で用心深い」「凡帳面で神経質」という性格が身についてしまったのかもしれません。
また、O型は、免疫力が強いグループです。そのため、フロンティアスピリットにあふれ、自己主張が強い。
B型は、O型に次いで免疫力が強いのですが、肺炎や食中毒にかかりやすいため、大勢の人の中には入ろうとしない傾向があり、自由奔放な性格。AB型はもっとも免疫力が弱いグループ。感染症全般にかかりやすいので、多くの人と会ったり話したりすることを避ける内向的な性格…などというように。
血液型をA型からO型に変える酵素を発見
カナダのブリティッシュコロンビア大学は、A型とB型の赤血球を、汎用的なドナーとなるO型に変換する酵素を発見し、科学ジャーナル『Nature Microbiology』に発表しました。
掲載された論文によれば、研究者達は、同族のA型およびB型糖抗原を除去することができる酵素を探して、人間の腸内マイクロバイオーム(腸内に生息する微生物)の機能的メタゲノムスクリーニングを行いました。
その結果、同学の腸内細菌DNAを保持する19,500の発現フォスミドのライブラリーにコード化された遺伝子の中から、ガラクトサミン中間体を介して効率的にA型抗原をO型血液のH抗原に変換するために働く一対の酵素を同定しました。
この変換は、ガラクトサミン中間体を介した合成の一形態で、ガラクトサミンがGH36と呼ばれるエストラーゼファミリーの活性を高めることにより行われる。これにより、非常に低い酵素濃度で、血液型がA型からO型に完全に変わるというものです。
この酵素がもたらす血液型をO型に変える能力は、輸血実務への組み込みを容易にすると共に、輸血用の血液の供給が増えることが期待できるかもしれません。
A型はどうして生まれたか?
ところで、このような血液型の違いは、なぜ起きたのでしょう。あまり知られていませんが、O型A型B型などの血液型は、人類だけの特徴ではありません。
オランウータン(A、B、O 、AB) などの霊長類、ヒキガエル(AB)などの両生類、ゴボウ(O) やソバ(AB) などの植物、そして、大腸菌(A、B、O) などの細菌にも血液型があります。
人類は、もともとO型で、紀元前4万年前頃アフリカに出現したクロマニョン人も全員O型で、A型やB型はいませんでした。それではなぜ、A型があるのでしょうか。
それには、腸内細菌が関係しています。私たちの腸の中には、1000兆個もの腸内細菌がいます。この腸内細菌に、A型物質やB型物質を持つものがいるのです。
これらの腸内細菌は、人類がヒトに進化する前からずっとおなかの中に棲んでいました。その長い共生の歴史の中で、腸内細菌がもつA型物質やB型物質の遺伝子が体内に潜り込み、「遺伝子移入」が起こったのです。その結果、A型やB型の血液型を持つ人が出現し、それぞれが混血することで、AB型が誕生しました。腸内細菌は、人の健康を左右するだけでなく、その進化にも大きく関わっているのです。