質のいい食事だけでは健康になれない のは本当です。腸が整っていないと、せっかくの栄養分をきちんと吸収できません。せっかく、あれこれ情報収集してよい食事をして食習慣を気遣っても腸内環境が悪化していたらダメだということです。
食べ物と腸内細菌が体のもと? 質のいい食事だけでは健康になれない
「人の体は、食べ物の化身」ともいわれていますが、食べ物がそのまま体の原料になっているわけではありません。
私たちは、腸の中にある栄養分を吸収しで、体の細胞を作っています。たとえば、肉や大豆などのタンパク質はアミノ酸に、お米やパンなどの炭水化物は糖に、植物油などは脂肪酸に、消化して吸収しています。
また、腸は食べ物を消化する以外に作っているものがあります。野菜などの食物繊維は、人の消化液では分解できないので栄養価がない素材として、カロリーがゼロとされていました。
しかし今は、水溶性の大豆食物繊維などは1グラムあたり2キロカロリーとなっています。
これは、大腸で腸内細菌が食物繊維を分解して、酢酸や酪酸などを作り出し、それを栄養分として吸収しているからです。腸が栄養を作り出していることになります。
さらに、乳酸菌などの善玉菌は、ビタミンBや葉酸なども作り出しています。善玉菌が多いと、食べ物がさらによい栄養分に変化していき、プラスの効用が出てきます。
食べ物を栄養に変換する腸内細菌
逆に、悪玉菌が多いと、未消化のタンパク質などをエサとして、硫化水素やアミンやアンモニアなどの有害物質を大量に作り出してしまいます。
これでは、毒ができてしまってマイナス効果です。私たちは、食べ物の栄養分だけではなく、食べ物をエサに腸内細菌が作り出したものも一緒に吸収しています。そのため、腸内細菌バランス(善玉菌が多いか、少ないか) によっても免疫が上がり、代謝がよくなり、その結果、体のもととなる原料(血液)が変わってしまうのです。
ですから、いくら栄養価の高い食事をしたところで、それを受け取る腸が整っていないと、せっかくの栄養分をきちんと吸収できないのです。