2018年 1月 の投稿一覧

腸 進化 の歴史賢い臓器の腸はそれらが進化して他の臓器に進化

腸 進化

腸 進化 の歴史賢い臓器の腸はそれらが進化して他の臓器に進化しました。腸の「すごさ」に気づかずに生活しているのですが、人類の進化と大きく関係している臓器なのです。腸の機能の1つが、体内に入った有害物質をブロックし、排除することですが、そのような働きを、腸は脳の指令なしに自分の判断で行なっています。

腸 進化 脳も肺腸から進化した

腸の驚くべき「すごさ」の秘密は人類の進化、ひいては生物の進化にあります。生物が地球上に現れたのは、約40億年以上前のことです。

たった1つの細胞からなる単細胞生物として出現し、それから複数の細胞をもつ多細胞生物になっていきました。多細胞生物は、生き延びるために進化する過程で、初めにある器官を作り出します。それが腸です。

発生学的にもっとも原始的な器官が、実は腸なのです。今でも腔腸動物といって、イソギンチャクやヒドラなどの腸だけしかない動物がいます。

脳や心臓をはじめ、あらゆるものがありません。これらの動物は、口と肛門も分かれておらず、入り口から体内に入った食べものを消化し、入り口から排出するという、いわば「腸だけ」ともいえる単純な構造です。脳のない腔腸動物たちは、腸でさまざまな判断を下しているのです。
進化の過程で腸は次のように、さまざまな臓器に進化を遂げたといわれています。

腸は、消化・吸収だけでなく、免疫機能、ホルモン分泌と、多様なはたらきをすることをご説明しましたが、なぜこんなに多くの機能を持っているのでしょうか。それを探るヒントは、動物の進化の歴史にあります。
脳、心臓、腸のうち、動物の進化の過程で最初に出来た臓器は何だと思いますか?正解はなんと、腸なのです。動物は植物と違い、太陽の光からエネルギーを作る「光合成」ではなく、ほかの生物からエネルギーを奪う「消化」という方向へ進化しました。そのために先に必要な器官が腸だったわけです。

  • 栄養分を琴える細胞が腸から分離して肝臓に
  • 血中の糖分を調整するホルモンを分泌する細胞が分離して膵臓に
  • 食物を一時貯蔵するため腸の前部が胃に
  • 酸素を吸収する細胞が肺に
  • 腸の入り口、つまり口にある神経の集合が脳に

このように、生物の進化の歴史からみても、腸はあらゆる器官の源だといえるでしょう。腸は、体の多くの器官や神経と密接にかかわっていますが、このような進化の経緯があったからなのです。

腸 脳の指令なしに独自に働ける

腸の機能の1つが、体内に入った有害物質をブロックし、排除することですが、そのような働きを、腸は脳の指令なしに自分の判断で行なっています。

腸は独自に、状況に応じて解毒作用を行なったり、肝臓や膵臓などほかの器官に指令を出し、適切な処理法を決定するのです。こうしたことができるのは脳以外の臓器ではたいへん珍しく、全身麻酔をかけられても、脊髄損傷で脳死状態になっても、腸が正常に働き続けるのはそのためなのです。

腸にトラブルや病気があると、この独自の判断能力に支障をきたし、それは当然、体内システムにも影響を及ぼします。腸はこの独自の機能のため、「第二の脳」とも呼ばれていますが、それだけでなく、さらに進んで、「腸は脳よりかしこい」という味方もえきます。

また、「脳腸相関」という言葉があるほど、脳と腸とには切り離すことのできない密接な関係があるのです。意外に思われるかもしれませんが、考えることもできる臓器が腸で、脳で考えたことは腸に、腸で考えたことは脳に、ダイレクトに伝わるようになっています。
この密接な関係も、腸が単に重要な器官であるだけにとどまらず、「脳よりかしこい臓器」と言える理由なのです。

腸 あらゆる器官の源

  • 腸の入り口、つまり口にある神経の集合が → 脳
  • 酸素を吸収する細胞が「肺」に
  • 食物を一時貯蔵するための腸の前部が → 胃
  • 栄養分を蓄える細胞が腸から分離して → 肝臓
  • 血中の糖分を調整するホルモンを分泌する細胞が分離して → すい臓

腸と病気との深い関係性について

腸 病気 にならなければ元気で健康

腸 元気

腸 病気 にならなければ元気で健康です。現代人は、栄養もよくなって寿命も長くなっているのに、どこか不健康です。昔の人は、もっとパワフルで風邪などひかなかった印象ですが、どうして現代人は健康ではないのでしょうか?病院の予約時間は意味がなく3~4時間待たされるのは当たり前。症状や病気が改善されるのならいいのですが、なかなか薬ではよくならなかったり「原因は不明」です。

腸 病気 にならなければ元気

最近になって、腸と腸内細菌に関する研究が世界的に急速に発展し、次々と新しい知見が発見されるようになりました。腸は消化器というイメージが強い臓器ですが、食物を通す管ではなかったのです。栄養分を消化吸収するだけではなく、腸内細菌が合成したいろいろなビタミン類を吸収し、体全体に運んでいます。

さらに、腸内細菌が作った「脳内幸せ物質」であるドーパミンやセロトニンの前駆物質を腸が吸収し、脳に送り届けていることが、最近の私たちの研究によって明らかにされたのです。腸には神経細胞と免疫柵胞が集中して存在しています。

体のなかの免疫細胞のおよそ70%が腸に存在しているのです。腸内細菌の出すシグナルに応じて腸管壁に存在する免疫細胞がいっせいに働きだし、免疫力を高めているのです。このような腸の働きはすべて腸内細菌の助けがあって、はじめて可能になります。

その腸内細菌の数は1000兆個ほどにもなることが、これまた最新の研究によって明らかになってきました。私たちの体を構成する細胞の数が60兆個といわれていますから、その数の16倍強の腸内細菌が腸内に存在し、その重量は約1.5キログラムにもなるのです。

腸内細菌が食物の分解を助け、ビタミンや脳内幸せ物質を合成しているのですが、それらを吸収し、全身に運ぶのが腸壁に存在するいろいろな「腸細胞」です。このような重要な働きをしている腸細胞の数も、腸内細菌の数に匹敵するくらい多く、腸壁や腸粘膜にびっしりと存在しています。

私たちの体や心の健康を左右しているのは、腸細胞と腸内細菌です。そして、両者とも絶えず「生まれては死に」を繰り返しているのです。私たちが毎日排出しでいる排便のおよそ半分が死んだ腸内細菌と生きた腸内細菌であり、食物の残りは便全体の約15%くらいにすぎないのです。

最近の遺伝子研究の発展で、腸内細菌を遺伝子で検出する新しい検出技術が開発されました。これまでは腸内細菌は培養できる菌のみで論じられてきました。しかし、遺伝子で検出すると、腸内細菌は培養できない菌が培養できる菌よりはるかに多く、約10倍にもなることがわかってきました。

この培養できない腸内細菌の約75%を占める菌は、納豆などの発酵食品に含まれる菌だったり、土壌菌だったり、私たちの肌にいる皮膚常在菌だったり、つまり私たちの周りにごく普通に存在する菌類だったのです。

これらの細菌類がどのような働きをしているのか、現時点ではまだ明らかにされていませんが、これらの細菌類は「日和見菌」ではないかと考えられています。善玉菌といわれる腸内細菌が少しでも優勢になると、これら大勢の日和見菌はいっせいに善玉菌の味方になる一方、悪玉菌が少しでも増えれば今度はそれらの日和見菌はいっせいに悪玉菌に味方する、というわけです。

つまり、体と心を健康に保つためには、乳酸菌などの善玉菌を優勢の状態に保っておくことが重要になってくるというわけです。

腸内細菌が人々を健康にも不健康にもすること、幸せにも不幸せにもすること、老化を防いだり、促進してしまったりするのです。健康で医者いらずの人生を送るためのヒントは、腸内細菌の数を増やし、腸内細菌のバランスを正常にすることです。
みなさんが本書で、勝と腸内細菌についての正しい知識を身につけ、今日から「正しい乳酸菌生活」を送っていただけることを願っています。

腸と病気の関係