自然のバランス 食べ合わせが生み出す というのは、どんどん食べてやせるとか、デンプンや脂肪を減らすとやせるとか、いろいろ言われていますが、いのちに対する感謝のない生活を続けているのなら、一時的にやせたとしてもまた元にもどってしまうでしょう。世間的にはリバウンドと言っていますが、それも本質ではありません。
自然のバランス
以下のような食生活を心がけてください。第一に、主食の栄養バランスを考えて、白くしない(未精白)米や粉にすること。
これでミネラルやビタミン類を効率良くとることになり、デンプンの消化吸収も助けるので太らなくなります。
また、玄米菜食に、ゴマを妙ってよくすりつぶし、うすい塩味にしたゴマのふりかけをたっぷりかけて食べると、今までとは疲れかたが違うことに気づきます。
体が軽くなり、重さ、だるさはなくなります。主食はその名のごとく主に食べることです。第二に、副食は積極的に大豆製品を用いることです。
魚は全部食べられる小型のものが良いでしょう。小魚などを空妙りして、良質のはちみつとしょうゆをまぜてからめるごまめ式の食べかたをすると、おいしくポリポリ食べられます。
空妙りだけでもおいしい。少し大きい魚なら、骨をまるごとから揚げにすると、骨せんべいになってポリポリ食べられます。
魚の骨の真中のズイは、脳の働きを強化するので、カルシウムとともにとくに大切なものなのです。緑や赤や黄色の、芯まで色の濃い野菜と海草類を中心にした、季節の野菜をしっかりとりいれること。その調和を続けることも大切です。
第三に、おかずと主食はほぼ見合う量にすることが大切です。おかずが多すぎないことが大事です。
ご飯を食べないで副食をたくさん食べる人に肥満が多いのは、胚芽のついた穀類は細胞に弾力と活力を与えるため体がしまるのに対して、副食が多くなると水分やカリウムなどが多くなって、細胞がふくれてふやけやすいからです。
それに酒や砂糖を使った甘いものが多くなると、いっそうふやけてしまうのです。一般的にサツマイモを食べると太るといいますが、これも食べかたです。大体、イモ類はカリウムが多いのです。カリウムが多いとナトリウムを追い出します。すると細胞はゆるんで働きがにぶります。
食べてむせやすいのはそのためです。それで、たくあん漬とか白菜漬、ぬかみそ漬などの漬物を一緒に食べるとむせないし、食べたあと昧も良くなります。
ゴマのふりかけをまぶしたらなお良いでしょう。カリウムはナトリウムを追い出して塩分を少なくするので、細胞はしまらないでふやけ、プーとふくれるから太るということにもなります。
逆に、肉食者などはナトリウムが多くなるので、細胞は縮んで硬化して働けません。ですから、そんな人は、イモ類、瓜類、くだものなどカリウムの多いもので中和すると硬化がとれます。
ナトリウムはミネラルの一種であるクロールと結びつき、塩分となるので、肉食者は塩分をへらすことです。逆に、生野菜やイモ類、くだもの、甘いものを多く食べる人は塩分がぬけてふやけているのでだるく、動きがにぶくなります。
体質を考えてバランス良く生活することを心がけてください。主食の質を良くし、間食をやめ、よく噛んで副食をへらすことと、塩分のバランスが大事です。これがやせる療法となり、肥満予防で足もとからの健康管理となります。
砂糖やそれを使った製品(菓子類や飲みもの)なども、血液を酸性にするだけでなく、細胞がふやけて働きがにぶくなるので、間食も量と中身を考えて、さけるようにしましょう。
こうした食生活を心がけると、生活の中から新しい体験が生まれ、新しい発見とともにものの見かた、考えかたがかわってきて新しい発想が生まれ、知恵が育ち、次第に生活習慣やサイクルがかわってきます。食事だけをかえたつもりが、生活のリズムもかわる。これが大切なところです。
マクロビ 玄米菜食がもたらす 効果
マクロビオティックの玄米菜食を続けていると、様々な効果があります。
玄米には多くの栄養素が含まれていることから健康維持やダイエットには非常に効果的。さらに女性にとってうれしいのは、肌質アップの効果です。玄米に含まれるビタミンB群は肌の再生をサポートしてくれるだけでなく、ターンオーバーも活性化、美肌の実現に力を貸してくれます。
肌トラブルの中には、過剰な脂肪や糖分を摂取することで起きる肌荒れもありますが、マクロビオティックは動物性たんぱく質や白砂糖を極力避ける食生活を送るため、脂肪や糖分の摂取量が減り、お肌のコンディションを整えてくれます。それ以外にも、食物繊維によるデトックス効果などもお肌にとっては効果的です。
マクロビオティックの玄米菜食には、精神的なものや社会的な効果も期待できます。
偏った栄養バランスや栄養素の不足は脳の働きを低下させますが、マクロビオティックの玄米菜食では十分な栄養が補給できるため判断力や決断力がアップ、精神的に安定を感じることもできます。
また、マクロビオティックでは皮や葉まで美味しく食べるため、どうしても農薬や農業の問題にも目をむける必要が出てきます。これら社会的意識の高まりもマクロビオティックならではの効果といえるでしょう。
「身土不二」
仏教用語の身土不二をマクロビオティックでは、「身体と住むところは切り離すことができない。住んでいる土地のものを食べることで、土地に適した身体になり健康を保てる」と解釈しています。
日本では禁止されていますが、輸入食品には鮮度を保つためにポストハーベスト農薬(殺菌剤、防カビ剤)が使われており残留農薬も気になるところ。
できるだけ近くで収穫された食材を選ぶことは、フードマイレージを減らすことにもなり、自然環境にも健康にもプラスになる。身土不二の考え方は地球環境の保全にも適していると言えます。
「一物全体」
一物全体とは、食材を丸ごと使用するという意味です。
食べ物を丸ごと食べることで、バランスが取れエネルギーを自分の身体に生かす、命をいただくことになります。野菜ならば皮や根、魚は頭から尻尾、骨や内臓まで調理します。
カロリーではなく生命力を重視し、全体を食べることからも、無農薬、無化学肥料で栽培されたものが選ばれています。