細胞を正常化する

陰と陽の調和、中庸の食事がベスト

陰と陽の調和、中庸の食事がベスト 酸とアルカリだけでなく、陰と陽の考えかた、生きかたも大切です。

これは東洋医学的な考えかたです。東洋医学には大別して実症(陽性)と虚症(陰性)があります。

陰と陽の調和、中庸の食事がベスト

陰と陽の調和、中庸の食事がベスト

それは細胞のでき具合や働きによって違ってきます。簡単にわかりやすく言うと、細胞は蛋白質、脂肪、含水炭素、ビタミンのほかにミネラルがあります。このミネラルによって陰性の体質、陽性の体質に分かれます。

栄養学の酸性、アルカリ性もミネラルですが、クロール、銅、硫黄、リンなどが多いと酸性になり、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウムなどが多いとアルカリ性となります。

ところが、食養ではこのアルカリ性のミネラルのバランスによって、細胞に対する影響が違ってきます。体質づくりには食物の影響が大きく、とりわけ、その中にあるミネラルの働きが大きいのです。

カリウムとナトリウムは括抗して働き、細胞内にカリウムが多すぎるとナトリウムを追い出し、逆にナトリウムが多くなるとカリウムを追い出します。

また、マグネシウムが多くなるとカルシウムを追い出し、カルシウムが多くなるとマグネシウムを追い出します。このミネラルの比によって、細胞の働きが違ってきます。

陰性は、カリウム、マグネシウムが多すぎると細胞がゆるんで働きにくく、下垂の体質で、内臓下垂や冷え症などになりやすい。

陽性は、カルシウム、ナトリウムが多すぎると細胞が縮んで働きにくい硬化型で、動脈硬化や肝硬変や心臓病などになりやすい。いずれにしても、病気の場合は大きな偏りがあります。

陰性に偏った場合と陽性に偏った場合によって体質は違い、食物のとりかた、処置のしかたも違ってきます。

まず、陽性の食物は、肉(四足ほど陽性が強くなる)、動物油脂、脂っこい魚、卵など動物性のもの。体の大きい物ほど強く、小魚になり形が小さくなるほどこの性質は低くなります。
鯉は池の中で藻を食べて育つので動物性の中では陽性は弱く中庸に近いのです。卵類は陽性が強くうずらの卵は鶏卵より弱く中庸に近いので、病人で陰性の人にはうずらのほうが良いでしょう。

また、塩分は陽性ですから、塩からいものや、動物性のものをとりすぎると、細胞は硬化して働けなくなります。陽性過多になると陽性の病気をします。

陰性の場合、植物性のものは陰性ですが、とくに陰性が強いものは白砂糖、水っぽいもの、瓜類、くだもの、ナス、甘いものいっさい、刺激物などで、これらが多すぎると陰性過多となり、細胞はゆるんで古くなったゴムのように弾力を失い、働きが悪くなります。すると毒素も老廃物も出せず、栄養ももらえないので病気ということになります。

陰陽のバランスをとるには、陽性の肉と陰性の白砂糖を一緒にとれば丁度よくなるかというと、そうではありません。極端は極端を呼んでより大きいマイナスとなり、細胞に大きな無理が生じます。弱っている細胞にこれをしたら、病気は急速に悪化します。栄養学でいう酸性の強い肉と、アルカリ性の強い刺激物はつきもので、中和の働きをするし、肉食をするとコーヒー、コショウなどの刺激物が必要になります。さしみにワサビで生肉の強さを中和しています。

しかし、刺激物や極端なものは細胞に無理をさせるので、病弱者や病人は、中庸でおだやかさを保ちながら細胞に活力をつけ、血液をまわすのがいちばん自然にもどりやすいのです。

中庸のものは植物性では海草、木の実、草の実(小豆、未精白穀類、ゴマ、アワ、ヒエ、キビ) など。小粒のものほど細胞は緻密で、内容は充実しています。

くだものでも、化学肥料をたくさん使って大きいのはカリウムが多く、細胞は大ざっばで水っぽい味で陰性が強い。

化学物質は強い陰性で、添加物は陰性、電気も陰性です。上にのびるもの、高いものほど陰性。土の下にもぐるものは陽性。ゴボウ、ニンジン、レンコン、タマネギ、ニンニクなどは陰の中の陽で、中庸に近くなります。

菜っ葉類は地に広がって生えるもの、またははうもの、ダイコン葉、ニンジン葉、パセリ、ニラ、ミツバ、ハコベ、タンポポ、ヨモギ、セリなどは、陰性の中の陽で中庸に近くなります。

色では赤、黄、黒が陽性。自、緑、紫は陰性(トマトは赤でも水が多いので陰性となる)小豆は陽性。黒豆は大豆より陽性。太陽にあでで干したもの今は電気乾燥ですから太陽にあてたもののこと)切り干しダイコン、海草、魚の干物などは中庸。

みそ、しょうゆ、納豆、梅干し、たくあんのような醗酵食品は、微生物の働きでできます。古いほどバクテリア、酵素などの働きが浸透して陽性となるので、古いものほど細胞に活力をつけるのです。動物性でも全食できる小魚の干物などは中庸に近いと言えます。

特に体調が優れないときは、玄米で体調を回復するのがいいでしょう。

肥満は老化現象のひとつ

肥満は老化現象のひとつ と考えます。現代人の食生活をみると、ビジネスマンは昼食を店屋もの、夕食をアルコール類と偏った添加物入りのつまみですませる人が増えています。

また、若者は清涼飲料水や缶コーヒーやジュース類を多くとる一方、肉食で野菜不足の傾向があります。それで栄養状態を見ると、全体として

  • カルシウム
  • ビタミンA
  • ビタミンB1
  • ビタミンC

の不足と、動物性蛋白質過剰が目立ちます。肉食で進化してきた人間の歴史 の側面が有ることも確かですが、過剰な肉食はデメリットの比率が高くなります。肉食だけでなく 過剰な糖質摂取になりがちな清涼飲料水や缶コーヒーやジュース類もデメリットの方が大きくなりますね。

肥満は老化現象のひとつ

肥満は老化現象のひとつ

こんな食生活では酸性過多となり、病人は増えてもへることはありません。そして老化を早めます。肥満も老化現象のひとつですが、これも食生活が原因の大きな比重をしめています。

幼い頃太っていましたが、結核になり、玄米食をはじめてからやせ出して、体質がまったく変化してしまいました。私はご飯が好きで、おやつなどお菓子くらいでは間に合わず、白米の大きなおにぎりにみそをつけて食べるのが好きでした。

主食は丼のようなお茶碗でも、おかわりして食べるという大食漢でした。白米の大食はミネラル、ビタミン欠乏症になるし、血液も酸性にします。

その上、くだものの木がたくさんあったので、たくさん食べました。これでは細胞はカリウムが多くなりカルシウムを追い出すので、陰に偏っててゆるみます。

肝臓や腎臓の浄化槽がフル向り転しても間に合わない。毒素も老廃物も疲労も流れにくい。血液の酸性はホルモンのアンバランスにも結びつくので、いよいよ細胞にプレッシャーがかかり、内臓にも神経にもマイナスとなってしまいます。

太るのも健康で太るのでなく、浄化の働きをする肝臓や腎臓の働きが弱って流せなくなって、老廃物や毒素がたまってふくれるのですから、疲れやすく、体は重くだるくなってきます。そんなことで病気と仲良しになる。その底には、いのちに対する感謝がありません。食べたいから食べる。自分中心の生きかたがあるのです。

酸性体質を中和するための食品はこうして選ぶ

「自然の力」で乱れたリズムを正常化する方法

「自然の力」で乱れたリズムを正常化する方法 は頭で考えるより実践するとなるとなかなか難しいものです。人間は 自然排泄 のような仕組みを持っているのでナチュラルにそして自然がいいのでしょう。

やせたいからといって、生野菜やくだものばかり食べると、陰性が強すぎて細胞がゆるんで働きがにぶくなり、内臓下垂や冷え症や貧血など陰性の病気になります。こういったバランスを自分の体の声に傾けて知るのにはなかなかすぐには出来ません。

「自然の力」で乱れたリズムを正常化する方法

「自然の力」で乱れたリズムを正常化する方法

こんな人が、酢が良い、青汁療法が良いなどと聞いて酢や青汁、野菜ジュースをガブガブ飲んだら、ますます細胞はふやけてひどい場合は、腰をぬかして立てなくなったり、病気を悪化させることになります。陰に陰を重ねるので逆療法なのです。

肉食過多の人なら、細胞がかたくしまりすぎていますから、青汁や生野菜のジュースは非常によく効きます。青汁は陰性でマグネシウムが多いのでゆるめてくれるのです。

陰性
冷たい・暗い・長い・遠心力・拡散力・増える・太陽に向かって上にのびる・静的(動に対して)・水っぽい・塩分が少ない・色では紫・あい・緑・白。
陽性
熱い・明るい・短い・求心力・収縮力・増えない・地下に長くのびる・動的(静に対して)・水分が少ない・塩分が多い・色では赤・黄・だいだい・黒。

これで判断すると、野菜の場合、地上に早くのびるタケノコや、暑い夏に育つ瓜類や、暑い地方に育つサトウキビ、バナナ、夏野菜、キノコ、地下に横に生えるクワイ、ピーナッツ、イモ類は陰性です。

陽性のものでは、地下に実直にのびるもの。霜にあっても負けない冬野菜、寒い地方に育つものほど細胞は緻密になり陽性が強い。自然薯は陽性。栽培のナガイモは水分が多くて陰性。ダイコンは地下に真直に生えても水分が多いので、陰性。ヤマトイモのほうが陽性。

ガンや腎臓、肝臓病でも、肉食のとりすぎ、甘いものやくだもののとりすぎなどによって陽性と陰性があり、それによって食養は違ってきますが、中庸になればいいのです

体質の弱さを改革するためには、酸性・アルカリ性だけでなく、この陰陽のバランスも大切で、体質を知り、その体質の弱さを改革するには、この陰陽の考えかたも頭の中に入れておくと良いでしょう。

とくに病弱者は生きかた、考えかた、心の持ちかたとともに、この偏りも大きいので、無理のない中庸にもっていくために、この自然に学ぶ食養法は大切です。これは、自然を柱にした陰陽理論から生まれた食養法なのです。

心が育たず理論ばかりにとらわれると、狭く小さくなり、細胞は自由に働けないのでこんな人は治りにくいのです。西洋医学、栄養学に見られる分析的考えかたと、東洋的な食養法と、総合的、全身的に根から治す束洋医学の考えかたがひとつになるとき、それぞれの長所が融合して、健康づくりに大きく貢献します。

陰と陽

陰と陽

東洋医学の考えかたから自然の栄養学を学び、自然の力に目覚めさせられたおかげで、肺結核から救われ、今日があります。

陰と陽の食べものをわかりやすくまとめると、地球の中心に近いほど陽性が強く、上に高くなるほど陰性が強い。下にのびる根のものは陽性。土のかたい所にのびるものほどエネルギーを要しますから陽性(野草は栽培野菜に対して陽性)、上にのびるもの、高いもの(木になるくだものなど) ほど陰性。地面に近いものほど陽性。

また、色、重さ、水分、塩分によっても陰陽の度合は違ってきます。この自然界から学ぶ陰陽の見かた、考えかたをまとめるのが大変です。頭で理解するのでなく、心でのうなずきが根にないと、小さな世界になってしまいます。

それでは体の健康も運命の健康も、遠いものになります。私はそんなことを勉強して、なるほど自然はリズムと調和だと気がつきました。いのちの尊さもわからず、自分勝手に生き、病気と嫁ができてしまった。それなら病気とつり合わない自分にならなければと気づいて、必死に根性きりかえの勉強をしました。

はじめはものまねでわからないことばかりでした。でも食物をいただきながら、嫌いでも、これは私にいちばん大切なことなのだと言いきかせながら、自然の食べものをよく噛んでいただくと、それが脳にしみこんでいき、だんだん好きなものとなるのです。

好んで食べていたお菓子なども体に良くないとわかり、そのように脳に教えこんでいくと嫌いになっていく。突っ張って治すのでなく、自然のリズムが自然の流れにしてくれる。そんなことを食物や自然療法を通して学びました。

以来、自分にあった食べものや手当て法、生活法、人間関係を豊かにする法などを学んでみて、やはり心が根だと知りました。こう言うと、スラツとそうなったようですが、紆余曲折があって40年かかってやっとここまできたのです。

大自然によって生かされている人の生命は、調和の良い食息心身により自律神経も安定し、五臓六腑五感も順調となり、健康増進につながるのです。

心に悩みがあるときは自然に帰る ことも大切です。