腸の役割 消化だけでなく免疫防御~解毒まで幅広い

腸の役割

腸の役割 は消化、免疫防御~解毒まで幅広いのです。うんちを排泄する働きだけをイメージする人が多いのですが、腸の役割はとても深いです。腸という器官がきわめて優れている理由の1つは、その働きが多岐にわたることです。「消化」「免疫」「解毒」という役割すべてを、腸は一手に引き受けています。

腸の役割 腸は多機能 消化 免疫 解毒

腸の重要なはたらきの1つ目は免疫機能です。口から入った食べ物は、食道、胃、腸と運ばれながら消化が進み、腸で栄養や水分が吸収されます。このとき、何でもやみくもに吸収しているわけではなく、それが味方(栄養素)なのか、敵(病原菌などの異物)なのかを識別する機能が備わっていることがわかってきました。

これは、かぜをひいたときの鼻やのどと同じようなしくみで、腸は異物に対する関所であるともいえるのです。腸に病原菌が入った場合、免疫機能がはたらいて菌を攻撃するだけではなく、せきやくしゃみのように異物を体外に出そうとするしくみがはたらくので、感知した場所が胃などの場合は嘔吐、腸の場合は下痢となるわけです。

腸の役割

腸の役割

腸という器官がきわめて優れている理由の1つは、その働きが多岐にわたることです。「消化」「免疫」「解毒」という役割すべてを、腸は一手に引き受けています。また、腸内環境が整っている人の肌はきれいだということもわかってきました。これは腸内環境が見た目の年齢に大きく影響していることがわかったのです。
腸の役割 は本当に奥が深いようです。
ここではこれらの役割について、簡単に説明しでいきます。

腸の役割 「 消化 」

腸の役割としてよく知られているのは、消化です。胃とともに食物を分解し、吸収する機能です。
口から入ってきた食べ物は消化吸収さすいえきれ、だいたい24時間後に排泄されることになります。
胃では、膵液によるでんぷんの消化を行ない、ここで多くの病原菌が胃酸によって殺され、腸に運ばれます。

小腸は4~7メートルの長さがあり、十二指腸で分泌される唾液、胆汁、腸液によっで消化が進み、胃液の強い酸性が中和されることになります。栄養素のほとんどは腸で吸収されているので、腸が機能しないと、人は生きていくことができません。

腸の役割 「 免疫 」

免疫防御は、外から侵入してくる有害な物質を追い出す機能です。食べ物は人間にとっては異物なので、それを体内に入れてよいかどうかを判断するのが腸の役割です。

病原菌などの有害物質から体を守るために、腸には強い免疫系が必要になるのです。小腸には「パイエル板」などの免疫組織があり、この腸特有の免疫組織を活性化しているのが、1000種類以上、1000兆個以上も棲息している腸内細菌なのです。

腸の免疫細胞が免疫防御の機能をしっかり果たしている限り、病気になることはありません。「自然治癒力」の強弱が最近よく問われますが、腸が免疫防御の機能を果たしていれば、自然治癒力は高く保てるということなのです。

腸の役割  「 解毒 」

免疫防御は、広い意味では解毒ということもできます。解毒の機能を果たす器官としで知られているのは肝臓ですが、肝臓の仕事を軽減させているのが腸なのです。

外から入ってくる有害物質は、まず腸が免疫防御機能でブロックし、ブロックしきれなかったものだけが肝臓に送られて、そこで解毒されます。

つまり、腸が正常に免疫防御の機能を果たさないと、肝臓にたくさんの有毒物質が送られてしまいます。その結果、肝臓には多大な負担がかかり、最悪の場合は肝臓の機能不全に至ります。

肝臓の病気は心臓や呼吸器の病気を誘発するので、腸が免疫防御・解毒の役割を果たすことがこれらの病気を未然に防いでいるといってもいいと思います。

腸の働きといえば、「消化」だけがクローズアップされてきました。しかしこのように、腸は私たちの健康のカギを握る、たくさんの重要な役割があるのです。

腸には、食べ物に含まれる栄養素を体に吸収されやすい形に変える働きが備わっています。 それは「消化」と呼ばれ、食べ物に含まれる栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質など)を吸収されやすい形や大きさに分解する工程をいいます。

消化 免疫 解毒 以外にも

主要な 腸の役割 は 消化 免疫 解毒 の3つを紹介しましたが、じつはこの3つ以外にも腸は多くの役割があります。

腸の役割 ホルモンがつくられる

重要なはたらき消化 免疫 解毒だけではありません。じつはホルモンを分泌することです。ホルモンが発見される前、いろいろな臓器は脳からの一方通行の命令だけで動いていると考えられていました。ところが、英国の生理学者ベイリスとスターリングの研究1)で、脳とは独立した命令系統があることがわかり、命令を伝える物質はホルモンと名付けられました。

ベイリスたちが最初に発見したホルモンは、実は腸(十二指腸)で合成されるセクレチンでした。その後の研究で、血糖値に関わるインクレチンや胆嚢の収縮に関わるコレシストキニンなど、多数のホルモンが腸で作られることがわかっています。腸は、甲状腺や膵臓のような、重要な内分泌臓器ともいえるのです。

腸内フローラ

口から体内に入った細菌のうち、有害なものは免疫機能で排除されますが、そうでないものは腸の粘膜に定住します。いわゆる腸内細菌です。乳幼児のころから少しずつ増えていき、成人では約1000種類、100兆個以上になるといわれています。顕微鏡で見たときのようすがお花畑に似ていることから、腸内フローラと呼ばれるようになりました。

ストレスなどにより、宿主である人の体調が変化すると、腸内細菌もその影響を受けて数が減ったり、増えたりします。一方で腸内細菌も、自分が増殖しやすい環境を作るために腸の粘液分泌を抑える物質を出して、腸内環境のバランスを整えようとしています。宿主である人と、腸内細菌は、相互に影響を与えながら、共生関係を築いているのです。

また、腸内細菌の種類と数は、人によってそれぞれ異なり、一生にわたって同じ種類の菌が棲み続けると考えられています。こうしたことから、病気の治療法として、ほかの人の腸内細菌を腸に移す「腸内フローラ移植(便移植)」という方法も研究されています。

役割を果たせずに免疫力が低下するということ

免疫力が落ちるとは、免疫を担当する免疫細胞のはたらきが弱まり異物を排除しにくくなることを言います。免疫力が落ちると風邪をひいたり病気にかかりやすくなるほか、肌荒れしやすくなったりアレルギー症状が出やすくなったりします。

精神的・肉体的なストレスを感じたり、バランスを欠いた食生活が続いたりすることで免疫力は落ちていきます。

疫細胞は全身に存在していますが、特に集中しているのが腸です。腸には免疫細胞の約70%が集まっていると言われています。腸は口から食べた物に含まれる栄養分を吸収する場所であり、食べ物や水分だけでなく病原体などの異物も腸にやって来ます。ここで多くの免疫細胞がはたらくことにより、身体にとって必要なものだけを吸収して不要なものは排除しているのです。

免疫力を高めるためには腸内環境を整えることが大切です。腸の免疫細胞が活動しやすい環境を作ることで、免疫機能の低下を防ぐことができます。

腸内には約1,000種類の細菌が生息しており、それらは一律に善玉、悪玉に分類できるものではありません。重要なのは、菌の多様性とバランス。けれどもここでは便宜的に通常腸のはたらきを活性化させるなど身体に良い影響を及ぼす菌を善玉菌、増えすぎると便秘や下痢を引き起こすなど身体に悪い影響を及ぼす菌を悪玉菌、どちらとも言えない菌を日和見菌と呼ぶことにします。

いわゆる善玉菌そのものや善玉菌のエサになる栄養を摂ることで、腸内の善玉菌が活動しやすくなり免疫力を高める効果が期待できます。

 

腸と病気との深い関係性について

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