皮膚常在菌がいなくなった肛門はあまりに無防備
お尻にも常在菌がいる
何かに触ったら手を洗わないと気がすまない!」という、行き過ぎた清潔志向が世間に蔓延しています。オフィスやトイレなど、消毒用アルコールが置いてあるところも多くなってきました。
電車やバスの吊り革にも「抗菌性」のものが増えています。「バイ菌嫌い」な日本人は、そのおかげでさまざまなものを発明してきました。
トイレも例外ではありません。ウォシュレットは、ものすごいスピードで普及した人気製品の1つです。日本人の清潔志向にぴったり合ったのでしょう。
最近では各家庭のトイレにはもちろん、ホテルやデパートのトイレでも当たり前になってきました。あっという間に市民権を得たウォシュレットですが、使い方を間違えると危険なものになるでしょう。
あまり話題にのぼりませんが、肛門のまわりにも皮膚常在菌という菌がいます。有害な菌やウィルスがくっついて悪さをしないように、膜を作っで肛門を守ってくれている菌です。
ウォシュレットを日に何度も使っていると、この皮膚常在菌が作った膜が洗い流されてしまうのです。皮膚常在菌がいなくなった肛門は、有害物質に対してあまりにも無防備です。
大腸菌はもちろん、乳酸菌やビフィズス菌などでさえ、肛門付近の皮膚に入り込んでしまうとトラブルを起こします。
菌が入り込んで排便のたびに痛むようになっでしまう症状を、肛門周囲皮膚炎というのですが、これが悪化すると膿がたまる肛門周囲腫瘍になってしまいます。
肛門周囲腫瘍は重症になると激しい痛みを伴い、高熱や全身倦怠、さらには体力がない人の場合、敗血症を誘発し命を落とす危険性すらあります。
ウォシュレットは絶対に使ってはいけない!と言いたいのではありません。要は使い方に注意してほしいということです。1日に1、2回程度の使用ならなんの問題もありませんが、排便していないのに肛門をウォシュレットで洗い流したり、小便をしただけなのにビデを使ったりというような過剰な使用は危険なのです。
ついでですが、有毒物質を体外に排出するという「デトックス」のブームにより注目を集めるようになった腸内洗浄についても私は心配しています。
腸内洗浄にはご注意
腸内洗浄は、腸の中にお湯などを入れて腸内のものを強制的に排出するというものです。便秘の解消やダイエット効果を期待した女性を中心に広まっているようですが、これはおすすめできません。
便は基本的に有害なものではありません。定期的に排出されていれば、体に悪影響を及ぼすことはないからです。長い間、腸内にとどまり続けてしまうことが問題なのであって、便そのものが有害というわけではないのです。
腸内を洗浄してしまうと、便だけでなく腸内細菌も根こそぎ体外へ出されてしまいます。腸内細菌の数が格投に減った腸では免疫作用を正常に働かせることができなくなり、免疫力が下がって病気になりやすくなってしまうのです。肛門も腸内も単純に「洗って解決! 」という考え方はじつは危険なことなのです。
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